THANKS FOR CLAP! 【拍手を有難うございます! 新たなお題に再チャレです! 順番に上げていくので面倒かもですが、宜しくお願いしますw】 ――― 色付いた桃色の頬(ミにゃんト!番外) ――― 果たしてここは地獄なのか―――それとも天国なのか……。 ミナトは未だかつて味わったことのない堪え難い現実に抗おうと、死ぬ気で意識を逸らそうとするのだが、理性がそれを許さず意識すればするほど目が離せなくなってしまう。 (こ、これは僕にとっては拷問と言っても過言ではない苦行だよ……っ) 事の発端はカカシが持ってきた猫グッズから始まる。 「はい、これ。ナルトにプレゼント~!」 親切を装ってはいるが、基本、己のポイント稼ぎに他ならないカカシの贈り物攻撃。 三日と空けずになんやかんやとみやげを携えては、それを口実にしてナルトに会いに来ているのだから、何ともあざとい。 ミナトが散々早く帰れコールを送っても、ナルトの手前死に目に合う程の攻撃はされないだろうとタカを括っているらしく、図太く居続けるカカシの居直りようはある意味称賛に値する。 それでもナルトが見てないところでは、こっそりとバレないように攻撃を仕掛けては追い出そうと頑張っているミナトがいたりするのだが―――残念ながら成功したためしはない。 そんなこんなで本日も水面下での攻防が行われ、あっという間に時間が経ち、任務が入っていたカカシが帰ったのはもうだいぶ日が暮れてからのことであった。 「なぁなぁ、ミナト~」 「うにゃ?」 「カカシ先生がこんなんくれたってばよー?」 「?」 ジャジャーンと効果音付きでナルトが掲げたのは、猫用のシャンプーだった。 「ミナト、ウチに来てからまだ一度もシャンプーしてないから、早速今夜チャレンジしてみるってば!」 外見が煌びやかで汚れた感が全くないミナトだから、今の今まで失念していた。 「…………にー……」 (別にお風呂が嫌いなわけじゃない。どっちかって言ったら好き、だけど……) 今、ミナトは猫なのだ。 猫なのだからして、一人―――いや、一匹で風呂に入ることは不可能。 どうしたって人の手を借りなけらば何も出来ない。それはさしものミナトであっても例外ではない。 (となると、さ。ナルトと一緒にお風呂―――ってことだよ、ね。いやいやいやいや、疚しい気持ちなんてこれっぽっちもないよっ!? で、でも、なんだかちょっといけない気分……になるのはなーぜー?) 猫の姿でナニを言ってるんだかと自分でも思いはするのだが、いかんせん、ナルトに関しては感情のベクトルが妙な方向に捩じ曲がっているミナトだ。 ナルトはすっかりミナトを丸洗いする気満々らしく、手をわきわきさせてミナトを捕まえようとじりじり迫ってくる。 ここは一つ腹を括ってナルトと一緒に風呂に入りますか、と覚悟を決めた瞬間ミナトの身体がふわんと浮いた。 「えっへっへ~、ミナトとお風呂だってばよー。キレイに洗ってやるからな!」 「うにゃ~」 すっぽりとナルトの小さな腕の中に収まったミナトは、平常心平常心とぶつくさ呟きながら大人しく風呂場へと連れられて行く。 そして、冒頭に戻る。 初めてだから加減が判らなかったらしく、かなり荒々しくガシガシ洗われてしまったミナトだったが、シャンプー自体はかなり気持ちが良かったので概ね問題はない。そう、シャンプーに関しては問題はないのだ、が。 その後が、問題だった。大問題も大問題。 (まさか湯船にまで入らされるとは思ってもいなかったよ……) しかもだ。 相変わらずミナトの身体はナルトに抱えられたままで。それも向かい合わせの状態になっているものだから、ふくふくの頬っぺたをほんのり桃色に染めて、恍惚と気持ち良さそうに風呂に浸かっているナルトの顔がもろ至近距離にあるのだから、これがドキドキせずにいられようか。 「ぷ~っ、良いお湯だってばねぇ」 ナルトはドギマギしているミナトには気づかずに、一人平和に入浴を楽しんでいる。 変態と罵られても仕方がない。 かつて木の葉最強と謳われた四代目火影も、今や本能に忠実な獣。 こうなると獣姿で良かったというべきなのかもしれない。もしもこれが元通りの、波風ミナトのままであったなら―――何が起きていたのか想像するだけで冷や汗が流れそうだ、とミナトはこっそりと苦笑いを浮かべる。(それにしても……) 入浴中と湯上り姿のナルトは、危険物そのものだから取り扱いには一層の注意を払わなければならないと、ミナトは決意を新たにする。 (今からこんなに色気を放ってたら、将来どうなるんだろう……パパは心の底から心配だよ……ナルト) 何処の親でも一度は考えるであろう、典型的な親馬鹿の常套句だが、近い未来それを実感することになるとは、ミナトも思ってはいなかった。 * * * (後書き) ケダモノ……あ、違ったケモノだからね! ←笑 skin by SPICA
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