(あ、やっぱり)
トイレをすませてリビングに戻ってきたカナダは、アメリカの姿を見つけて心の中で呟いた。
なんのアポもなく突然やってきて、「DVD見ようよ、カナダ!」とドアを壊さんばかりの勢いで飛びこんできた兄弟は、持参してきたプリングルスを抱えて低めのソファとローテーブルの間におさまっている。
ソファを背もたれにして、カーペットの上に直接座り、膝を立てているのだ。



いつの頃からだろう。
アメリカの座り方が気になるようになったのは。
カナダが他のことをしていて(たとえば洗濯ものをとりこむだとか)一人でソファに座っているときには、彼はソファの上に普通に座っているのだ。
ソファの上でくま太郎と眠りこけているようなこともよくある。
けれど。
「あ、カナダ、準備いいかい?ほら、君のプリングルス」
そう言いながら、アメリカはソファに座ろうとするカナダに筒状のお菓子を手渡す。ありがとう、と受け取りながら、カナダがソファに座ると、じゃあ、始めるんだぞ、とアメリカがリモコンのボタンを押した。


続きます




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