体重をかければすぐに崩れ落ちてしまう脆い足場を踏みながら、金色に輝く砂丘をやっとの思いで登り切った。

 吹き付けていた風が止み、視界を遮っていた砂が地面に落ちていく。

 やがて、黄色いもやの向こうに、影が薄く浮かび上がった。それはもやが消えていくにつれて、徐々に輪郭をくっきりさせていくようだった。

 そしてついに、影は姿を明らかに、彼の前に現れた。

 植物の球根のような形をした巨大な建物に、太陽の光が反射して眩しく輝いている。

 渇いた喉がゴクリと鳴った。



 ついに辿り着いたのだ。















 砂漠に囲まれた王国、サルディアに。





















Gate――『砂の王国』

 
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