ありがとうございました!!
今回の拍手お礼は5つがランダムに出ます。
拍手お礼 「赤城に親友モードの相談をしてみた」 |
●男の人って
「男の人って、なに考えてるの?」
「……えっ?」
「だから」
「いや、聞こえてたけどさ……」
彼女は、時々こうやって奇抜なことを言い出して僕を混乱させる。
そもそも、ことの始まりだって妙だった。
「赤城くんになら、なんでも聞けるような気がするから」
そんなことを言われたら、断ろうにも断りきれないではないか。
「ねえ。今みたいに会話が途切れたりするとき、男の人って何を考えてるの?」
キラッキラした目で見られてもさ。返答に困る。
「今日着ている服はやっぱり可愛いな、とか。風が強いけど寒くないかな、とか。今日は一日楽しかったなあとか、今度はどこに行こうかなあとか。また誘ったら、今度も来てくれるだろうか、とか、髪の毛が細くてサラサラで触ってみたいなあとか……」
「あ、あの……」
「要するに、君のことばかり考えてる。男って、案外目の前に見えるもののことしか考えられないものさ」
「なんか、さらっと恥ずかしいこと言われたような気がするけど……」
「あ。君、ちょっとドキドキしただろ? 少し大袈裟に言ってみただけなのに」
笑いを含ませながら、少し茶化したように言ってみる。
だって、こうでもしないと今の僕の立場を保てそうにないから。そして、僕は今のこの関係をまだ崩す勇気がないんだ。
案の定、すぐにふくれっ面になった彼女も予想通り過ぎて、僕は本当に笑ってしまった。
「赤城くんたら! わたしは本気で相談しているのに!」
「あはは。いつものことだけど、からかい甲斐があるね」
「……もう」
はにかんだように顔を赤くする君は、なんだか、僕の知っている意地っ張りの女の子ではないような気がした。
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