「ザックス、何を食べているんだ?」
むぐむぐと口を何かを食べているザックスに声を掛けると、「これ」とパッケージを
差し出された。
「なんだ?……グミ?」
「うん。イチゴ味。結構うまいんだぜ」
どう?と勧められ、普段はめったにする事はない菓子をひとつ摘んで口に入れた。
ふに、というなんとも言えない感触を受けながら噛み締めると、イチゴの味が口に広がった。
「……歯ごたえが結構あるな。イチゴの味はしっかりしている」
「だろ。もひとつどう?」
勧められるがままもうひとつ摘むと、ザックスが声を上げてにやにやと見上げてきた。
「そうだ、グミって乳首と同じ硬さだって言われてるんだぜ」
「なんだそれは……」
急な発言にアンジールは呆れながらも、指に摘んだグミをじっと見つめた。
――乳首ねぇ
少し考えると、徐にむにむにと指先を動かし始めた。
――乳首の割には硬めな感じがするが
ザックスのはもう少し柔らかい気が……いや、結構ずるずるにまで感じているとこんな感じか?
真剣にグミを揉みながら色々と考えていると、ザックスが大きな声を上げてその手を掴み取り、
指まで食わんとする勢いでグミを食べられてしまった。
「お前、何するんだ」
「ばかーっ!それはこっちの台詞だっ!このむっつりスケベっ」
――むっつりスケベって……
お前が乳首と同じだって言ったんだろうが、と呆れると指先から奪われたグミの感触を思い出しながら
――今夜ザックスの乳首と硬さを比べてみよう
と考えているなんて思いもしないザックスだった。
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