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WEB拍手  「二日目の夜」
 虹の代理戦争
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 アルコバレーノの代理戦争2日目の戦いは終わった。ユニチーム、風チームが敗退し、残るチームは5つとなった。そこに突然の第8のチームの参戦で、戦いの激化が予想された。
 風チームとマーモンチームの戦いの場となったホテルの最上階は跡形もなくふっとんでいた。
 雲雀につられてボスウォッチを壊しかけたXANXUSだったが、レヴィとルッスーリアとベルとスクアーロが懸命に止めたおかげで、なんとか破壊をまのがれた。
 XANXUSはマーモンの一生のお願いと言われ、必死で止めようとするカスどもを見ていると、破壊するのを少し思いとどまった。
 スクアーロは素早く時計をつけた手首をつかみ、ひじでこづいても、必死でしがみついてきて、離れようとしない。それ以上やると痣になりそうだったので、力を緩めてやっても、必死の表情で時計のあたりを掴み続けている。ドカスだから、XANXUSの状態に気づかず、力を入れ続けている。
 文句を言う雲雀を連れてディーノがいなくなると、スクアーロはほっとしてXANXUSにしがみついている力を抜いた。
 XANXUSのまだ怒りをたたえた赤い目がスクアーロに注がれていて、思わずその目に見とれた。
 XANXUSは、うっとりした表情でまっすぐ見つめてくるスクアーロの目をじっと見つめた。色素のうすいその瞳には、XANXUSの姿が映りこんでいた。ガラス玉のような瞳だが、いくら見ても見飽きなかった。
「・・・」
マーモンだけが離れたところで冷静にその様子を観察していた。
 ボスとスクアーロが互いに見つめ合っているのは勝手だよ。でも、レヴィは涙を浮かべてすり寄っているし、ベルも嬉しそうにくっついてるし、ルッスーリアは恍惚とした表情になっているんだけど。彼らのおかげで時計は壊されなかったから、ボスが気づくまで見て見ぬふりをしてあげるけど。みんな本当にボスが好きだね。いざという時には確かに頼りになるからね。
 しばらくスクアーロを見つめていたXANXUSは暑苦しさにあたりを見回した。
スクアーロをひじでどついていると、怒りもおさまり落ち着いた気分になりかけていたが、鼻息を荒くしたレヴィやルッスーリアに気づき、一気に不快な気分になった。
 明らかに怒りの矛先が変わったことに気づいたベルとルッスーリアは素早くXANXUSから離れたが、気づかないレヴィは憤怒の炎を浴びせられた。
「うぉっ、ボス、光栄です!!」
痛みすら感じないほど感激しているレヴィは、うっとりとしたままその場に崩れ落ちた。
「ゔぉおおおい、ボスぅ、落ち着けえ!!」
スクアーロはなおもXANXUSにしがみつき続けている。
 ルッスーリアはほほを染めながら、盛大にくねくねした。
 ボスの身体、素敵だったわぁ。すごく素敵な胸板だったわぁ。ボスがアルコバレーノの代理戦争を受けてくれて本当によかったわぁ!!  ボス、あんまり怒ってないし。スクをくっつかせてご満悦みたいだもの。最上階の部屋はぼろぼろになってしまったけど、ボスのご機嫌はスクにとらせたらいいし。
「ししし。もうボスは冷静だっての」
ベルは肩をすくめた。十年後の記憶のあと、ボスはずい分変わったと思う。今も怒りより勝利を選んで戦ったし、ボスウォッチも結局は壊さなかった。時計をはめた手をつかんだのがスクアーロってのも大きいと思う。以前はスクアーロに対してギスギスしてあまりやさしくなかったのに、最近はちょっと大事にしている。傷すらつけないようにしている。それって超アンビリーバボーな事だし。
 XANXUSは戦いが一段落したため、再び面倒な気分になった。
 ヴァリアーが貸し切っていた最上階は完全に吹き飛び、部屋の跡と瓦礫ばかりになっていた。こんな状態には慣れている。ヴァリアー本部もときどきかっ消してしまうため、よくあることだった。
スクアーロの髪をひっぱると、瓦礫をかき分け寝室だったところに向かった。カスザメがいなければ、ベスターで暖をとるが、今はカスザメがここにいる。
「ボスぅ、悪いなあ。時計壊されちまったぞぉ」
「ふん。てめえの戦力なんざ、はなからあてになんぞしてねえ」
以前なら腹がたって、殴ったはずなのに、全く腹がたたない。それどころか、ケガもなく傷一つ負ってないので、良かったと思えるのだ。XANXUSがひじでどついた頬は少し赤くなっている。だが、それだけだ。
 十年後の甘ったれた記憶など必要ないし、あれが将来の姿だとは思わない。しかし、あの記憶があって、今のスクアーロを見ると、見れば見るほどかわいく思えてしまうのだ。いまいましいほどに愛らしく見える時すらある。いびっていじめていた時も、気持ちがすっきりしたが、なでたり触ったりすると反応が面白く、いつまでも止められない。だから、かわいがってやらないこともない。
 引き寄せられて髪を撫でられると、スクアーロは真っ赤になりしどろもどろになった。
「ゔぉおおおおおおい!!」
恥ずかしさのあまり怒鳴ると、XANXUSに殴られた。
でもその痛みは、以前の痛みとはまったく違う。跡も残らないぐらいで、心も傷つかない。
「さっきのボス、かっこよかったぜえ!!  惚れ直したぞぉ!!」
XANXUSは忘れかけた怒りを甦らせかけたが、スクアーロがきらきらした目で言っていることに気づき、怒るのもバカらしくなった。カスザメにはまともな言葉は通じない。その上、こいつのしゃべることはろくでもねえ。昔も今も未来もそうだった。
 だから、しゃべらせないのが一番いい。
スクアーロはXANXUSに抱きしめられるとすべてがどうでもよくなった。スクアーロにとってはXANXUSの存在がすべてだ。それはどんなに時がたっても変わることがない。他の場所で生きるなど、もう考えられない。
 ずっとずっとボスのそばにいるんだぁ。離れないぞぉ。
 スクアーロはXANXUSにしがみついた。
 ルッスーリアは、かっ消される覚悟で瓦礫の影にひそんでいた。
 二人とも静かになったわぁ。もうすぐ大人の時間のはじまりねーーーー。
よい子のみんなはもう寝てる時間だけど、ルッスーリア姐さんはどきどきして眠れないわぁ。だから、ボスとスクの見張りをしてあ・げ・る♡
 本当にスクはボスの怒りをしずめる鎮静の雨ね。ボスはスクに餅を投げ、戦いの後はほっぺをどついて気が済んだみたい。かわいいわあ。
 怒れるボスは今日も素敵だったわぁ。
 ヴァリアーは今宵もいい感じよーーーー。

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ボス、お誕生日おめでとうございます!!!!!!!!
レヴィは場外でずっと裸踊りを続けていると思われます。



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