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SS(スーパーショート)なおまけ文を書いてみました。
全部で5種類あります。へたネタですよ。
宜しければどうぞお読み下さい♪


イヴァギル







−自分勝手な恋人−


「ねぇ…ギルベルトはうちに何しに来たの?」

「何って。可愛い弟の恋路のために気ぃ使ってやってんじゃん」

「…僕のためにその気を遣おうとは思わないわけ?」

「はぁ?何でお前なんかのために」

恋人のあんまりな言い方に僕は思わず顔を引きつらせた。

いつものことだけど。

いつものことながらあんまりである。

「僕は仕事してんのに。勝手に来て勝手にくつろいでるし」

「だって住んでたから」

「いや、そうだけどね?」

こっちは朝から忙しかった。

連絡ミス訂正をしたり、書類を作ったり、同志に指示を出したり。

なのに一息入れに広間へ来たら彼がいるではないか。

来たなら僕に一言言ってくれたっていいのに。

彼の自分勝手な性格にはほとほと困る。

「お前仕事忙しいんだろ?お構いなく」

「そうじゃないでしょ!いるなら手伝ってくれたっていいじゃん!」

「ヤだよ。だって俺もうそういう事してないし」

「僕だって君がいるのに僕だけ仕事なんて絶対嫌だ!」

僕はそう言いながら彼のお茶を奪ってごくごくと飲み干した。

机の上にあったクッキーにも少し手を伸ばす。

「お前相変わらず餓鬼だな…」

「君に言われたくないね」

そうしてキャンディとチョコレートをポケット一杯に詰めるのだ。

最後に彼を抱え上げれば準備万端。

彼はさっとビスケットの缶を握りしめていた。

「何もしないからな」

「いいよ、諦めてる。ギルベルトが傍にいてくれればそれでいい」

「夕飯ボルシチな?サワークリームたっぷりで」

「デザートは君なんだから」

「んっ…」

そう言いながら軽く唇を重ね合わせて戯れる。

自分勝手で気ままな彼。

だけど僕はそんな彼が大好きでどうしようもない。

「やべ。ビスケットだけ食べてると喉詰まる」

「…‥ナターリヤにお茶持ってきてもらうから待ってて」

1人でやるよりも遙かに遅れの出る仕事の進み具合。

しかし彼といるだけで、それも苦にならないのだから僕は本当に末期なのだ。



2009 @ろんじん






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