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よつどもえシリーズ第三話、全3本でローテーション中。


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だって面白そうだったんだもん。






◇悪戯が好き!◇
FOUR-WAY SLAPSTICK COMEDY PART-3.~Little bitch~










「…さーて、どうしたものか」

早めの夕食を済ませた私は、自室に帰って次の作戦を練ることにした。

あの様子を見ると、奴を彼から引き剥がすには相当の手段と時間が必要だろう。しかしそうも言っていられない。何しろ、私たちには時間がないのだ。
最終手段に移るのはまだ時期尚早であるにしろ、全員が休暇中のこの絶好の機会を狙わないわけにはいかないのだから!!


そうやって考えを巡らせているところだった。

頭上でゴーレムが忙しなく飛び回ったかと思うと、西向きの窓に激突してヨロヨロと床に落ちた。バグでも起こしたのかと窓際に寄ってそれを摘みあげるが、そこでこの奇行の原因と目が合う。
目が合う、というのは目を持つ相手と対面したということで…相手は窓の外にいた。小さな柵に腰を掛けて、顔の半分を仮面で覆い隠している。細くて小さな女の子だ。手にした桃色の傘のてっぺんには南瓜を模したかざりがついている。
女の子は仮面の下でにこり、と笑った。

「呼ばれて飛び出てー…なんだっけ?まぁいいや、こんばんわーお姉さん。」
「……誰、あなた」
「ボクは恋する乙女の救世主、さしずめ…恋のキューピッドってとこかなぁ」

思わず開けた窓から滑り込んできた女の子はくるくる回って、閉じた傘を振り回した。
普通ならこの時点で、こんな子供が一人で、しかもこの断崖絶壁に聳える教団の外から部屋の窓に辿り着くなんてあり得ないし、不審極まりないのだが…彼女は何故か、そのことに頭が働かなかった。

「もしかしたら…いいえ、もしかしなくても…私を助けてくれるの?」
「勿論だよぉ、任しといてー、きみの片思いを卒業させてあげるよぉ♪」
「わぁっ心強いなぁ!!ありがとう、キューピッドさん♪」
「お気遣いなくー、だって面白そうだ…ううん、なんでもないよー」

ぐっ、と手を握り合いながら、2人は女同士の不思議な絆によって結ばれてしまったのだった―…。




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