血+(デヴィカイ)
『Q.いつから恋は始まっていましたか?』


明確にその言葉をぶつけたのはいつか、覚えてはいない。
でも思い出してしまった。
否、思い出されてしまった。

『俺って、アンタの何なんだよ』


一気に体温が上昇するのが分かった。
何か発しようと口は開くが、あの、え、で、それは…との繰り返し。
カイは開き直るようにその唇を噛むと、どうにか相手を下から睨みつける。


「その答えを今、返しにきた」


勢いで放った言葉だろう。
酒に溺れ、周囲と自分自身を傷つけていたアノ頃。
短くも長い、あの時間。

別に意図して発した言葉ではない(多分)。
だが、その時にはすでに胸中には想いがあったのは(多分)事実。
(多分)告白とかそういうものではないはずだ。
そんな余裕はあの時にはなかったのだから。
それでも、だ。


(どこぞのカップルだって話だ)


妙に落ち着いて自覚すれば、この上ない羞恥プレイだ。
流してくれれば良かったのだ。
自分も無意識に零した言葉なのだから。

なぜか一瞬、言葉のソースとなった(であろう)真央の顔が浮かんだが、当然すぐ消えた。
コンマの世界でも逃げ出そうとしたのだろうか。
ただし。
思い出したところで、自分の発言は取り返せない。
自分の態度から、今さらしらばっくれることも、ほぼ不可能。


「カイ、いいから…」

「だぁー言うな言うな!あれは過ちだ、過去の汚点だ」

「…何を言っている」

「変な誤解はしてくれるなデヴィッド!俺はそ、そんなオモイで」


ひとりでプチパニック(+暴露)をカイを他所に、死角から乱暴に二の腕を掴むと、逆の手で後ろ髪を引っ張った。
少年から青年に成長したはずが、今のカイの姿は過去の初々しさを覗かせる。
ふ、と柄にもなくデヴィッドの頬が自然と緩んだ。

キスを一つ落とされると、カイは硬直し、更に全身を赤く染め上げた。


(A.気付けば相思相愛でした)



好きですよ、今でもデヴィカイ。
けっこーシリアス系多いのですけど、今回はカイきゅんをパニックさせたかった。
次回リベンジしたい。
(だって勢い任せ=打ちながら考えた)



ありがとうございました!
これからも日々精進で参ります。

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