「なぁ志貴、お前もう直ぐ誕生日だろ?」

■プレゼント

もう直ぐ志貴が誕生日だと巴に聞いた。
そういえば、俺たち知り合って今まで誕生日に何かプレゼントするなんてした事なかったなぁ。

「え、あぁ」
「何か欲しい物とかあるか、買ってやるよ」

人に何かプレゼントするっていうのは楽しい。
ましてや志貴にだ、楽しくない訳が無い。

「欲しい物?えーと…あ」
「ん?なんだ」

何か思い当たった感じの志貴。
暫く考えて

「いや、何もない」

と言った。
こいつ、さっき絶対何か思いついただろ?

「何か欲しい物あるんだろ?」
「うっ」
「今まで何も買ってないんだ高くてもいいぜ」

その言葉を聞いてやっと志貴が口を開いた。

「…………ベントス」

ボソっ

「え?」

聞こえるか聞こえないか分からない位小さな声で呟いた言葉。
ベントス?
えーと………………それはもしや?

「志貴もう1回言ってくれ」
「…スキンオブベントスとカヴァクc…思いついたんだけど…なぁ」
「うっ」

Σ( ̄Д ̄lll)エモを出したのは言うまでもない。





「うっ、うっ…不甲斐ない相方ですまん」
「泣くなベテル、無茶言ったの俺なんだから」

いじけて体育座りしながら泣く俺の肩に手を置き慰めてくる志貴。
なんだそのセット…狩りにも行けないし露店で買えるレベルでもない。
初めてのプレゼントを渡せない俺、情けない。

「何でその2つなんだ?」
「目標なんだ、なんていうか夢の組み合わせっていうか憧れ?」
「効果は…あぁなるほど、それは夢だな」
「だろ」

目を輝かせながら言う志貴。
細々金貯めるかな。

「流石に直ぐには無理だけど、他に欲しい物とかないのか?」
「ん~…ペット欲しいとは思うけど」
「ペット…………白い布ひらひらした奴なんて無理だからな」
「俺だってそこまで鬼じゃない、いや巴が狸連れてるの見ていいなーと思っただけで」
「そういえば倉庫に…」

ずっと前にフェイヨンに篭った時に出た日記が10個位あったな。

「志貴ちょっと待ってろ」
「え?あぁ」

志貴を溜まり場に置いて、日記持ってコモドに飛んだ。
彼女の想いに変えて、次はフェイヨンか。
自分の運に賭けるしかないなぁ。



「ただいま」
「おかえり、どこ行ってたんだ?」
「ほい」

9個目で何とか手に入れた卵を志貴に渡す。
無事に捕獲できてよかった…

「これ…いいのか」
「大事にしろよ」
「あぁ」

笑顔で携帯卵孵化機に卵を置く志貴。
現れたボンゴンを見てさらに笑顔になった。

「なんか兄弟みたいだな」
「…確かに、ありがとベテル」
「いや、お前が喜んでくれるだけでいいよ」
「え?」
「なんでもない」

しかし、初めに言われたのは来年でも無理だろうなーなんて思うのだった。






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