わたしの女神様 2

あれから一週間後の放課後、わたしは舞踏館へと向っていた。
その通り道にある武道館から甲高い声が聞こえてきた。
なんだろう?と思い、武道館を覗いた。
そこには、部活中の空手部が練習をしている。

「キャ~//// また、うさぎくんが勝ったわ↑↑」
「うさぎくん~! 私と結婚して!!!!」

甲高い声を出していたのは、見学をしていた女子生徒だった。
その彼女たちは、見つめてる先に
兎羽さんが男子部員を次々と倒していた。
そのたびに、彼女たちは甲高い声で喜んでるようだ。

「うっさいわ! 練習の邪魔や・・・・
 それにな、ウチは女やから結婚は無理やで!!!!」
『キャ~♪ うさぎくん、怒るところも素敵wwww』
「あんたら・・・・(苦笑」

意味不明な言葉を発してる彼女たちに
兎羽さんは、呆れて苦笑するしか出来ない。
すると、わたしは兎羽さんと目があった。

「あっ、羽ちゃんや!」
「・・・・お久しぶりです! 兎羽さん」
「そうやな♪ あれから逢ってへんやったな!」
「兎羽さんって空手部だったんですね! だから、あのとき・・・・」
「そうやで! ウチの強さを知っとったから逃げ出したんやよ♪」
「そうですか////」

わたしは、なぜか・・・・心が温まってるようになった。
普通の会話をしてるだけなのに・・・・////
なんでだろう? 自分でも分からない・・・・。
でも、分かることは・・・・兎羽さんとまた会えたことに
わたしは嬉しかったことだ。

「あっ、やっぱり部活に出とったんやな! 姉はん・・・・・
 お願いやから今日用事あることを忘れへんでくれへんかな?・・・・って羽?」
「兎葵くん!」
「知り合いやの? 兎葵と羽ちゃん・・・・」

兎羽さんに親友の兎葵(とき)くんが話しかけてきた。
兎葵くんは、今年の春にわたしのクラスに大阪から転校してきた男の子。
席が近くで話を聞くと、気が合うので親友になったのだ。

「羽は、俺の親友や! 姉はんこそ、羽と知り合いやの?」
「姉さんって・・・・兎羽さんって、兎葵くんのお姉さんなの?」
「そうやで♪ 性格はあんまり似てへんけど容姿はそっくりやろ?」
「・・・・そういえば、そっくりです!」
「やから、なんで姉はんが羽と仲良く喋ってるんや?」
「1週間前に襲われとったトコを助けたんやよ♪」
「え? また・・・・襲われたんか? やから・・・・一人にならへんでくれと・・・・」
「ごめんなさい・・・・」

兎葵くんは、わたし限定の過保護。
いつもナンパをしてくる人たちを成敗してくれる。
けど、わたしだって男なんだからかわせるのに!
まぁ~、そんなに強くはないですけど・・・・。

「別にいいやん? ウチが助けたんやから♪ って、今日用事って何や?」
「あっ、そうや! 今日、道場で弟子たちに教えやってって言われたやろ!!!!」
「そうやった! でも、行かへんで!
 ウチは、剣道より柔道や空手の方がしょにあってるっていつも言ってるやろ?」
「・・・・分かったや! 父はんにも、ゆってくさかいに・・・・」
「兎羽さんって剣道もできるんだ↑↑ ねぇ、強いの誰なの?////」
「姉はんやで・・・・剣道が苦手ってゆうくせに俺より上手いんや! 」
「いや、お前の方が上手いで? 純粋の剣道やったらな♪(ナデナデw」
「ちょっと、やめんかボケ!!!! それに嫌味やろ!」

仲良し姉弟なんだ♪
姉弟とかいないからちょっと、羨ましいなぁ////
影から見つめていた彼女たちの甲高い声が再び聞こえだした。

「あっ! うさぎくんの弟くんだわ♪ やっぱ、弟くんもカッコイイわ////」
「美形兄弟っていいよね↑↑ もう~両方ともと結婚したいわ!!!!」
「そうよね♪・・・・・でも、隣にいるあの子誰?」
「知らな~い! でも、二人に仲良く話しちゃってむかつく!!!!」

彼女たち、わたしのこと・・・・女性と勘違いしてる・・・・。
いつも、男性に惚れられて女性に憎まれて!
わたしが女形でも男なのに・・・・。

「せや、羽? 今日自主連やるって言うてなかったか?」
「あっ! 忘れてた・・・・そのために特別棟へ来たのでした(苦笑」
「自主連・・・・羽ちゃんって帰宅部とちゃうのか?」
「はい、帰宅部ですよ♪
 わたしの家は女形舞踊佐藤流なもので、時々学校の舞踏館で舞の練習をしてるんですw」
「めっちゃええやねん! かわえぇな・・・・美しく可憐に舞っとる羽ちゃん////」
「////・・・・そうだ♪ はい、これ!」

わたしは、持っていた鞄からファイルを取り出し
ファイルに挟んでいたチケットを兎羽さんに渡した。

「今週の日曜、風雅市民会館大ホールにて佐藤流の公演があるから来てください♪」
「ええの?」
「はい、兎葵くんやお家族と一緒に見に来てください//// 兎羽さん」
「もちろんや! 楽しみにしとるよってに♪」
「これで失礼します・・・・兎羽さん、わたし//// 頑張まりますからw」
「(なんや? この空気は・・・・?)」

わたしは、武道館を離れる。
すごく真っ赤だよ//// 今・・・・絶対に!
どうしてかな? 会ったのは、2回しかないのに・・・・。
でも、考えるのはやめよ!
もうすぐなんだから頑張って練習しなくちゃ♪
兎羽さんのためにも・・・・って////


次にあとがきあり!



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