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時計を見たらもう、深夜といわれる時間だった。
午前0時を回ったことを確認して、俺はメールを打つ。
狙ったように。
送る内容は決めている。
もちろん、相手も。
『忘れてた?』
そう、一言だけ。
宛先をもう一度確認して送信ボタンを押して。しばらく待つこと数秒間。
短いの時間をいやに長く感じながら、画面を見入っていると、送信完了の文字が出てホッと息を逃がした。それと同時に肩の力が抜る。どうやら知らず知らずの内に力が入っていたらしい。肩を触ると、僅かばかりの痛みと張りを感じた。
こんなにも短いフレーズを打つのに俺は少し緊張していたようだ。それに気付いて、可笑しくなる。
何で俺はメールを送るだけなのに、こんなにも手に汗を滲ませているんだろうって。手を握ってみたり開いてみたり。なかなか引かない汗に、薄く笑いながら。
でも、今日のメールはいつものメールとは違うのだ。俺自身の、気持ちのというか心の入れ方が。いつも、メールボックスが彼の名前で埋め尽くされるくらいに気軽に送っているメールとは。
今日は、特別。
いつもとは違う、狙いが、ある。
結果は多分、夜が明けてからだろう。
多分このメールの相手はすでに夢の中だろうから。
さて、俺も眠ることにしよう。明日も普通に出勤しなければいけないし。それに、目的を果たす為にはいつもよりもかなり早く職場に着かなくてはいけないのだから。
そうしてベッドに身体を横たえ、瞼を閉じては見たもののなかなか意識が沈んでくれない。多分、軽くテンションが上がっているせいだ。寝返りを打って寝やすい位置を探ってみても眠気は襲ってくる気配もない。
そうしているとなにやら思わず、ふつふつとくすぐったい笑いが込み上げてきて。抑えきれずにクククと洩れる。これじゃまるで遠足へ行く前の小学生のようだ。
こんなでちゃんと朝早起きできるんだろうかと不安にもなったけれど、眠くならないものは仕方がない。この際、逆にこのまま眠らない方が間違いないのかもしれない。けれどそうは言っても多分眠くなる瞬間は明け方に訪れるのだろう。だから必ず起きられるようにと、枕元に置いている目覚まし時計に手を伸ばす。
いつもよりも早い時間にベルが鳴るようにセットして。
そのままもう一度身体を楽に横たえようとして、思い直して携帯を開いた。こっちの目覚ましもかけておいた方がいいだろう、と。念のため。
これで完璧。
あとは、期待する反応を待つだけ。
それ、だけ。
お前は、どう出る?
next?
2007.01.21. H.Fuduki.
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誰の独り語りか…分かるかなぁ?
『ささやかな計画』
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