ちっちゃい・ばらはあかい



「はわ〜…」
「キラ、触るなよ」
「はわぁ〜………」
「…聞いてるか？」
「あすらんあすらん！きれーね！」
「…聞いてないな、キラ」
「ぅ？」
「棘があるから、触ると危ないんだ」
「と、げ？」
「ほら、これ（剪定鋏で一輪切り取って）」
「わ〜…とげとげ…」
「この種類は品種改良されていないオールドローズだからな」
「お？」
「昔からある、有名な薔薇ってこと。こっちの薔薇なら新しい品種だから棘は無いよ」
「はわぁ〜…こっちはね、まっしろしゃんだけど、こっちはね、まっかね！」
「これは母上が作った、ここにしかない薔薇なんだよ？」
「れのあ、まま？」
「そう、レノア母上」
「れのあままが、つくったの？」
「あぁ、特別に作った、ここにしか咲いてない特別な薔薇だよ」
「とくべつ…れあ？」
「そう、レア（苦笑）」
「れあ〜☆（にこにこ、と）」
「さて、こっちの白薔薇を何輪か摘んでいこうか」
「ぅ？どこか、いくの？」
「ラクスに持っていこうかと思うんだ」
「らくすちゃん！」
「ラクスは花が好きだろう？」
「んぅ！らくすちゃん、おはなさん、すき！」
「カガリは…薔薇の花なんかいらないかな？（摘みながら）」
「………（ぴくり、と）」
「やっぱりお菓子にするか…」
「………（ぴくぴく、と反応）」
「白だけじゃ寂しいか…って、キラ？（視線に気がついた）」
「………きら、も」
「うん？」
「きらも！」
「…うん？（首傾げ）」

「きらも、あすらんのばら、ほしい！！」

「………は？」
「あすらんあすらん！きらも！きらにもね、ばらしゃん、ちょーだい！（満面の笑顔）」
「………いや、キラはカガリと一緒でお菓子の方がいいんじゃないか？」
「うぅん！おかしもね、すきだけどね、きょーは、ばらがいーの☆」
「………じゃあ、カガリの分も」
「っ、だーめ！」
「………キラ？（流石に困惑）」
「かがりに、ばら、だめ！かがりのは、きらがとる！」
「…キラが、カガリの分を摘むのか？」
「んぅ！（握り拳で）」
「それは別に構わないが…どうしたんだ？」
「…べつにー…（目を泳がせつつ）」
「？まぁ、いいけれど…」
「…（ほっ、と）」
「じゃあ、まずはこれを…（キラの耳元の髪に赤い薔薇を飾って）」
「…（じっとしてる）」
「…うん、可愛いな（微笑み）」


「…っ（真っ赤に）」


「？キラ？」
「っ、かがりの、どれにすぅ？！」
「え？あ、あぁ…じゃあ、そっちのオレンジ色の…」
「はーぃ！（バタバタ走り出して）」
「あ、こら、走ったら危ないだろうっ（慌てて追いかけながら）」
「だーぃじょーぶ！あす、はやくーぅ！（笑いながら）」
「やれやれ…（苦笑）」


この特別な赤い薔薇の名前が『アスラン』ということを、キラが知るのはもう少し先のこと。



"あすらんのばらがほしい"とキラが言ったので、それを忠実に守ったアスランでした（笑）
最近、薔薇の品種で『アキト』という薔薇にハマっています、探してみるのも手かも？

拍手ありがとうございました！とっても励みです！！ε=ε=(ノ≧∇≦）ノキャー