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冬とアイス3」滝丸と小松



小松の属性は「世話焼き」だ。それは料理人という、ひとに食事を提供する立場がその属性に磨きをかけたのかもしれない。

「滝丸さん、アイスがありますよ」

「いえ、うちの教えではそんな贅沢は」

「育ち盛りなんだから遠慮しないで下さい」

いつもは厳しく、はっきりと拒否する滝丸だが、小松となると勝手が違うのか返事も歯切れが悪い。

「冬にアイスなんて贅沢な…」

アイスは夏に食べるものだと思っている滝丸に、聞いていたココが涙を流した。

「彼の謙虚さが10分の1でいいからトリコにあったら」

「それだとおれ、生きていけねえ」

小さなカップひとつのアイスを食べるのに5分以上のやりとりをした後、滝丸が折れた。

「おいしい、です」

慎ましやかに喜ぶ滝丸に、小松が満面な笑みを浮かべた。





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