THANKS FOR CLAP!

＠N-T


「なかまるー！」
「なかまるー！」
「はーいお前らも中丸ってこと忘れんなー。」



きゃははは、と笑う俺の息子。流星(りゅうせい)。
すっかり聖のノリを覚えたらしく、俺のツッコミが大好物らしい。
俺がぼうっとしてる間にこそこそと聖を誘っては、こうやってからかってくる。
そんな流星を見つめてる聖の表情がめちゃくちゃ穏やかで可愛いから、
俺もちょっとノリノリだったりするんだけど。(だってすきだからね)



「こら、お前いい加減にしろよ？靴脱げって何回言ったらわかんの。」



場所は新幹線の中。３つ並んだ座席の真ん中で、流星が怒られてる。
テンションが上がった所為か座席の上に靴履いたまま乗っちゃって
怒られてるのを見るのは嫌だけどマナーはしっかり、ってのがうちの掟だし。
でも二人して怒るのは可哀想だからやめよう、って二人の間のルールがあるから
俺は黙ったまま流星がしゅんとしつつ脱いだ靴を揃えてやったりして。



「なあ、着いたらどこ行きたい？最初。」
「んー。お土産を買う。幼稚園で配るの。」



座席の肘掛についたボタンをひたすら連打しながら答えた流星に、
思わず聖と視線を合わせて笑ってしまった。



「お前似だよなー、こういうとこ。」
「いや雄一似だろ。しっかりしてるっつーかなんつーか。」



未だに慣れない「夫婦」の会話に含み笑いを零して
都会から少しずつ離れて自然の多くなっていく景色の中、
俺は俺の膝に乗ろうと身を乗り出した流星に気づかれないように、そーっと聖の手を握った。





















(だって気づくとからかってくんだもんよ、子供の癖にー。)