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一夜のたわむれ
(ほら、つれた)


「貴様のいうことは解せぬ」

 元就には似合わぬ、震えた声だった。――それは、心を読まれまいと構えていた元就防護壁が崩れた瞬間でもあった。
 静かに視線を逸らした元就を見、政宗は口の端をあげて嗤う。そら見ろ、と言わんばかりに。

「いつもそれだな。少しぐらい遊んだって罰は当たんないぜ、Darling?」
「……世迷言を」

 元就は自身の袷を撫で、息を吐いた。
 政宗はなんとも愉しそうにその様を見つめ、煙管をもてあそぶ。煙管の先からくゆるきまぐれな紫煙が、元就を捕らえ逃がさない。

「またそれか。いい加減、『お前の言葉』で言ったらどうだ?」

 ふ、と、政宗は緩々と唇を持ち上げ、冷淡に笑う。元就は視線を逸らしたまま、沈鬱な顔で嘯いた。

「馬鹿馬鹿しい。……全て我の意思による言葉だ」

 隠し切れなかった迷いと戸惑いが、ありありと言葉に浮かんでいた。
 氷のような元就の面が微かにでも融けたことに政宗は気を良くし、冷淡に笑んだまま言葉を紡ぐ。

「良いじゃねぇか、ただ一晩の遊戯だろ? 恐れるものも何もない」

 政宗の甘言に、元就の壁は崩壊し、融解した。氷のような面が燻った炎でどろどろに融けて、顕わになる顔。
 ――欲に染まった、貌。





write:2008/03/05
up:2008/03/05
わーい悪女伊達ー! ヒヒヒ。いけいけな伊達と好きだけど逃げたい毛利。
逃げたいのは自分の護ってた「自分」が壊されそうだからなんだぜ。
そんな臆病な毛利が大好きなんだぜ。自分からは何もできない毛利が可愛いよ!







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