「だって悲しいんだろう?」
不思議そうに囁かれた言葉への返答に困り、私は小さく言葉を濁した。
「いいえ、けして、そんなことは」
「それは嘘だよ。ベル」
真緋路様の言葉はどこまでも緩やかで感情が足りない。子供に教え込むかのようなそんな優しい言葉で、私の主は無慈悲に私を突き落とす。
「人を守るべき人間が人を殺すのが悲しくないのなら、きっと世界なんて歪んでるのさ」
でも、それは貴方を否定することだ!
心の中で泣き叫び、私はけして私を捨てない主を嘆いた。



思い知ればいいのだ



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