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御題サイト「確かに恋だった」様よりお借りしました。

気まぐれな彼のセリフ より
「可愛かったから」












「ちょっと聞いてんの!?」
晶実は思わず浩人を怒鳴りつけた。
「聞いてるよ、そんな怒鳴らなくても。高血圧になるよ?」
浩人は雑誌を開きながら顔も向けずに返事をする。
「聞いてるならちゃんと答えてよ!さっきから生返事ばっかりじゃない!」
「うん、そうだね」
「ほらまた――!」
晶実は頭を抱えた。さっきからずっとこうだ。たまに聞いてるかと思えば、人をおちょくるようなことばっかり言うし。

「ねえ、ちゃんとこっち見てよ」

時々、悲しくなる。この人は本当は私の事など何とも思っていないのだろうと。


「晶、ちょっとこっちおいで」 浩人は片手を雑誌から離して手招きする。視線は相変わらず雑誌しか見ていない。
「なんだよもう…」
渋々とベッドに近付き、両手をついて浩人の傍に寄る。途端、唇に柔らかい感触を感じた。


「――なっ!?」
目を白黒させて浩人を凝視すると、しれっとした顔を向けられた。
「ん?だって可愛かったから」


こんな事で誤魔化される、私は弱い。







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