ぱちぱち! 元気と勇気が送信されたよ!
(浮竹隊長+十三番隊の皆様:BLEACH)









「うっきたけ隊長! 調子どうですか? あ、顔色いいですね! じゃ、ちょっと失礼します!」
「え? ちょっと待て、その荷物は」
「隊長、寒いだろうからコレは羽織ってください、半纏」
「あ、ああ。すまんな。……いや、そうじゃなくて」
「コレ見てください! コレ! コンロ! このために向こうにこっそり…あ、いや! えっととにかく買ってきたんです!」
「……だから、いったい、何」
「あぁの! サボっていったわけじゃないんです!」
「いやそうじゃなくてだな」
「あ、これちょっとどけちゃいますね!」

ばたばたと慌しく何かの準備をする彼女は呼び止めてもちっとも動きを止めやしない。ちゃぶ台を運び込んで、座布団を並べて、真新しいコンロを置いて、忙しない事この上ない。もしかして邪魔なのではと布団からどいてみれば、やはりそうだったらしくすぐに布団が片付けられる。
「……なんなんだ、いったい」
「鍋ですよ、鍋」
誰ともなしに呟けば、ひょっこりと顔を覗かせた海燕が答えを返してきた。そんなことは何となく察しがついていたのだが。
「なんで急に、また」
「冬だからでしょ」
「…………それだけか?」
「あとほら、誰かさんがまたこんな時間まで寝込むもんだから、消化にいいもの、栄養あるもの、とかいろいろ考えた結果とか」
「…………」
「あー、副隊長! 暇なら清音さんたち手伝ってきてくださいよぉ! 葱とか肉とか切ってきてください!」
「オメーな、仮にも上司に向かって」
「もう、じゃ私がいきます!」
忙しい彼女はそう言いながら海燕の横を通り抜けて走り去る。しばらくすればまたばたばたと戻ってきて、その手には鍋つかみと、大きな土鍋。顔には満面の笑み。後ろから清音と仙太郎が野菜や肉の入った皿を持ってついてくる。

「さぁ、食べましょう!」

土鍋の蓋を開ければ、湯気とともに出汁の香りが漂ってくる。事前に煮込んでおいたのか、具は火が通っており、味がしみているのが見るだけで分かった。
皿を並び終えた彼女が手招きをしてくきたので、言われるままに隣に座った。
「浮竹隊長! これ、このしいたけの飾り包丁俺がやりました!」
「あぁっ! ずるいぞ小椿! 隊長、これほとんど私が切ったんですからね!」
「二人ともうるさいですよ! 出汁とか全部作ったの私なんですからね、浮竹隊長!」
「オメーもまじんな」
まったく騒がしいことこの上ない。しかも騒ぎながらも各々が好き勝手に鍋をかき回して、見る間に具が減っていく。

「隊長、ぼやっとしてるとなくなっちゃいますよ?」

彼女が差し出すてんこ盛りの取り皿を苦笑しながら受け取ると、嬉しげに笑んだその頬にわずかに朱が混じる。
「や、やっぱりお鍋はみんなでわいわいやるのが楽しいですよね」
「ああ、そうだな」
縮こまる頭をひとなでして、騒がしい輪の中へ入っていく。
さっきより部屋が暖かくなったのは、たぶん鍋の湯気のせいだけではないだろう。









(2009.12.25)
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