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これはまだ、二人が友達以上恋人未満な関係の頃の話
いつかの・・・ (前)
「お前、よく食うよなぁ。」
普段の騒がしさを取り戻すお昼休み。
総悟は思わず目の前の桃色の髪をした少女に声をかける。
あまりにも彼女の食べっぷりが見事だったから。
(いくつ目だ、その弁当で・・・・。朝、弁当一つ食って、休み時間ごとにパンを一個ずつ食ってるぞ・・・。)
「育ち盛りだからヨ。」
そう言った神楽はウキウキとした様子で弁当箱を広げていく。こちらで呆れている総悟を気にもせず。
「の割にはチビのままだよなぁ。」
「うっさいアル。」
頬杖を付いてぽつりと呟かれた言葉に、神楽は鋭いツッコミを入れる。
しかし空腹には勝てないのか、目の前に広げた色とりどりのオカズを目の前にして彼女の機嫌は一気に直った。
「自分で作ってんのかィ?」
自分の弁当を広げながら、ふと疑問に感じたことを言葉に変える総悟。
しかし、神楽には何のことか分からなかったのだろう。フォークを持つ手を止めて首をかしげている。
そんな彼女に向けて総悟は目的のものを指差す。机に広げられた可愛らしい弁当。
ああ、と納得した神楽はフォークに刺したタコ様ウィンナーを口元に運びながら会話を続ける。
「これ、私が作ってるんじゃないヨ。新八が作ってくれるアル。」
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