【告白されるならこのセリフがいいシリーズ@しょうさくらい編】







「ねぇ翔ちゃん、見てみて!」

「ん?」

「ほら、あそこ桜が散り始めて絨毯みたいになってる!」


彼女が指さした方向にあるのは桜並木。
満開を少し過ぎたところらしく、花びらが下に積もっている状態で。

少し足早に走り出した彼女は
積もった花びらを両手いっぱいに抱えてパーッと投げたかと思うと
今度はそっと取って優しく投げて・・を繰り返す。

屈託のないこどもみたいな笑顔を浮かべながら。

なんだよ、かわいいじゃんか。
普段はそんな表情見せないくせに。
お前に対する気持ち、逆撫でされてるみたいで悔しい。


「きれいだねー」

「おう」

「なによー!そういう時は感動するもんでしょ」

「いや・・」

「どしたの?お腹でも痛くなった?」

「お腹は痛くないけど」

「もしかして・・あたしに見とれてた・・りして」


そのまさか、だよ。
あまりに君がキレイだから俺の方が感動してたんだ。


「バーカ」


悔しいから「見とれてた」なんて絶対言わない。

今はね。


「なによもう」


そうつぶやいてまたしゃがみこんだ彼女。
俺も隣にしゃがみこむ。


「また来年もこうやって見に来れたらいいなぁ」

「・・・」

「あ、でも翔ちゃん彼女できたらこれないか」

「へ?」

「好きな人、いるでしょう?」

「・・・」

「あ、黙っちゃった」


にぶいにもほどがあるぞ、お前。


「それ、あなたなんですけど」

「はい?」

「俺がすきなのはおーまーえ!」

「マジですか・・」

「マジですよ。えぇ大マジですよ」

「てかしゃがんで言うことじゃなくない?」

「いいじゃん、今言いたいって思ったんだから」

「・・・」

「お前もおんなじ気持ちだと思ってたんだけどな」

「・・なにそれ」


彼女の顔がほのかに紅くなっている。
なんだよ、ますます可愛いじゃねぇかよ。


「あの・・そろそろ付き合いませんかおれたち」

「・・・」

「返事は?」

「強引だよね、翔ちゃんって」

「はぁ?なんだよ、これ大真面目なんだけど」


これでも一世一代の大真面目なところ見せたと思ったのに。
強引、とか言われるとダメなんじゃないかって思うじゃねぇかよ。


「そろそろ・・付き合っても・・いいです・・よ」


そういうことは早く言えっつうんだよ、まったく。
照れて立ち上がろうとする彼女の手を引っ張ってまたしゃがませる。


「しょ・・うちゃん?」


ちょっと強めの風が桜の木を揺らす。
ひらひらと落ちてきた花びらが舞う中、そっと彼女にキスをする。



「とりあえず・・今後ともよろしく」




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春ですね、完全に。
若干書いてて恥ずかしくなりましたけどもw

翔さんに「そろそろ付き合いませんか?」
と、言われたい話を最近ヲ友達としていて思いつきました。あは。

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