プルルルルル
プルルルルル
ピッ


「……はい。」

「…低血圧もほどほどにしろよ。」

「…?トシの声がする…。」

「は?いやお前当たり前だろ、どんだけ寝ぼけ――」

「うぅん、まだ夢、か。夢だったらなんで声だけ…?」

「……おーい?夢じゃねェんだけど?」

「あぁ、そうか、今日トシと逢うんだっけ…。早く逢いたいなぁ。」

「…え?」

「夢にまで見ちゃうなんて重症だなぁ、あたし。どんだけ好きなんだ。」

「………。」

「あれ?トシの声しなくなっちゃった…。んん、夢を夢ってわかっちゃったからかなぁ…。もう一回夢見たら、また逢えるかなぁ…。」

「…ちょ、二度寝すんのか、」

「あ、ほらまた聞こえた。ふふ、あたしってば幸せ者だ、今日はトシに3回も逢えるのね…。」


ガチャン
ツーツーツー…


「…は、反則だろ、」

低血圧のアイツのことだから、起きてねェだろうと思ってかけたモーニングコール、寝ぼけすぎだ…。
あとでもう一度かけて、その時は開口一番言ってやる。
――俺も、早く逢いたい、ってな。



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