ぱちぱちありがとうございました! 励みになります。以下、ビリグラの日常の一コマ。 ちゅーしてます。甘っ!!! 【holiday】 オフをもぎ取ったとカタギリが言うので、久々に連れ回してやるか、と思い立った。 カタギリに提案すると、君が有給取れるなら喜んでお供するよ、なんて答えが返った。 どうせこのところハードスケジュールだったので、そろそろ有給を取らないと管理部にどやされる。 あっさりと受領された有給届けを手に、さて何処へ行こうかと私は綿密な計画を立て始めた。 だがしかし。 いざ当日、彼の私室へ奇襲をかけると、まだもぞもぞとシーツを被っている技術顧問がそこに居た。 もう昼前である。このままでは私による私のための私の計画がすっかり水の泡だ。 そもそも奴が支度をする時間を考えて色々と予定を繰り上げなければならない。 些かいらついて――また、少しだけ悪戯心が湧いて――シーツの塊の腹の辺りに跨った。 ぐ、と呻く声がしたが、起きる気配はない。 シーツを捲って顔を見ると、細い眉を寄せてうんうん唸っていた。 「カタギリ、起きろ。せっかくのオフを寝て過ごすつもりか」 起きない。全然起きない。嘆息してもっと大声でたたき起こしてやろうかと思って息を吸った。 瞬間、緩慢な仕草で腕を掴まれ、ベッドに引き倒された。 起きていたのかとその顔を見やるが、まだ目は閉じたままだったし、寝息が聞こえてくる。 寝惚けているようだ。しかし寝惚けて私を引き倒すとはいい度胸ではないか。 抱き寄せられるそのままにカタギリに身体を寄せると、少し上にずり上がって薄い唇に柔らかく噛み付いた。乾いた唇を舐め、口内をゆっくりと潤し、上顎を尖らせた舌でなぞる。 引っ込んでいる舌を吸い上げると、濡れた音が室内に響いた。 ちょっとその気になり始めたので、薄く髭の生えた顎から頬をぐっと掴み、後ろ頭に腕を回して引き寄せ、 深く貪る。起きていたらきっとこんな風にはできない。 いつの間にか主導権の奪い合いになって、最終的にカタギリのしつこく卑猥なキスに私が音を上げるのだ。 幾分満足して唇を離して目を開けると、カタギリがにやにやと笑ってこちらを見ていた。 「熱烈な目覚ましだね」 「最高の目覚めだろう、眠り姫」 にっこり笑ってやると、含ませた意味に気づいたのか、ちょっと顔を引きつらせて、カタギリはいそいそと起き上がった。 「…すぐ支度するよ。昼食は奢る」 「当然だな。デザートと夕食もつけてもらおうか」 カタギリは情けない顔をして、それからこっちに向き直りざま、突然キスしてきた。 まあ、否やはないので応じてやる。やはりカタギリはしつこくていやらしい、と思いながら、唇を離した。 「おはよう、グラハム。ごめんね。待ってて」 眼鏡をしていないからだろう、いつもより至近距離で柔らかく笑うと、そのまま寝室を出ていった。 ………奴が女性にモテる理由が分かった気がして非常に遺憾である。 fin. |
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