拍手ありがとうございます!よろしければ、何か一言メッセージを送信してやって下さいませ。 『過保護です!』 阪東秀人と桐島ヒロミは、恋人同士である。 そしてそんな2人は、同じバンドのメンバーであるツネこと奈良岡常吉を溺愛している。 2人のツネに対する接し方は正反対に近いのだが(阪東は無関心を装うお父さん、ヒロミは優しく甘やかす お母さん)、根っこの部分は同じで、2人とも保護者の心境でいるらしい。 ツネ曰く、「俺、ヒロミとタメ(同じ年)なんだけど…。」だったり、周りのバンド仲間曰く、「保護者っつーか、あ れはもう完全に過保護だろっ!」だったりするのだが、2人には聞こえているのかいないのか…。とにもかくに も、毎日毎日彼らはツネの動向に目を光らせているのであった……。 2月14日(バレンタインデー)。 ツネは困惑していた。 「どうかした?ツネ。」 すぐさまお母さん…もといヒロミが問いかける。 お父さん―阪東―は、少し離れたところでしっかりと聞き耳を立てていた。 「うん…。あの、バレンタインのチョコって、女の人だけじゃなくて、男の人が渡すっていうのもありなの?」 「ああ、確かに最近は『逆チョコ』とか言って、男の人が渡すのもありらしいけど…って、何でそんなことを?」 「そっか…、じゃあもらっても大丈夫なんだ!」 「え?」 「なにっ!?」 ちなみに前者はヒロミの声であり、後者の叫びは阪東のものである。 一瞬でツネの真横に移動しているあたり、さすがはリーダーである(←?)。 「ツ、ツネ…まさか男にチョコもらったの?」 「うん。さっきここ(ライブハウス)に来たとき、いきなり渡されたんだけど…。」 「返してきなさいっ!」 「返してこいっ!」 「え?でもさっき男の人が渡すのもありだって…。」 「それは相手が女性の場合であって、ツネは男の子でしょ!」 (子って…。) 話し合い(?)の結果、とりあえず相手の連絡先を知るためにも中を開けてみることにした…のだが、なんと 中身はチョコではなく、高級なブランド物の時計だった! 「うっそぉ!」 目をまんまるくしているツネの隣りで、阪東とヒロミは固く固く誓い合うのであった。 「「ツネは俺たちが守る!」」 <おしまい> この後、阪東とヒロミはこっそりとトムジェリに連絡を取ってこのことを伝え、それがさらに涼の耳に入り、その 後、相手は2度とツネの前に姿を現すことはなかった…とかねー(笑)。 ※注.うちの阪東とヒロミはトムジェ リと顔見知りです(詳しくは当サークル発行の本「ツネニアイヲ…」をご覧下さいませ。宣伝宣伝♪←コラ)。 |
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