ねえ、何が君の幸せなの? 桜の花びらが舞い散る木の下で半助は利吉にそう問う。 「え?」 風の音が少し強くてよく聞き取れない、というように利吉は目を細めて、耳を澄ます。 そうしたところで半助の唇はもう言葉を何も紡いではいないのだが。 「だから、利吉君は何を幸せだと感じるの?」 数歩利吉に近づいて半助は再び言葉を紡ぐ。 今度は風の音も気にならずに、クリアに耳元へと届いた、半助の声。 困ったような、しかし、それでいて何処か寂しそうな表情で半助は利吉にそう問う。 「私の幸せは……」 ざざっと風が今までの中で一番強くたなびき、桜の花びらを舞わせる。 「貴方と居ることです」 END 拍手有難うございます。 取り合えず何か作らなきゃという事で作っ…た……短いもの!!(笑) これからも天下分け目の関が原をよろしくお願いいたします。 |
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