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厚樫山にて御一人様スローライフ
を送るツナ様+αがブラック本丸
の短刀ちゃん達を保護する話

- 前編 -
(前編の冒頭は、某シリーズのオープニング部分を丸々引用しております。
芸がありませんが、どうかそれだけ御了承下さい)





三十路も半ばに差し掛かっても猶、いまだに少女少女した母が、邪気の類いなど欠片
も感じさせぬ笑顔で無茶振りをしてくるのは、何も今回が初めてではなかった。




「―――――お、もい!ちょ、マジ勘弁……っ」




軽く一山はある大量の荷物を一人で持ち帰ると聞き、おおいに同情してくれた店主が
リヤカーを貸してくれたからいいものの、育ち盛り食べ盛りの子供を多く占める家族
四日分の食料、及び飲料水、そして、この際だからと購入したアウトドア用品一式が
これでもかと言わんばかりに積み込まれたソレの重量は、やはりと言うべきか、案の
定と言うべきか、とにもかくにも洒落にならない。
俺様何様家庭教師様のいつもの提案により、五月の大型連休を大自然の中で過ごすこ
ととなった沢田家、居候組を含めた総勢七人が滞在することとなった某湖畔のコテー
ジまでは、距離にしてまだ5、600メートルほど残っている。
湖の沿道は完璧に舗装されているためまだマシであるが、『一流のヒットマンが目に
する景観は一流であるべきだ』などという巫山戯た主張により、終着地点となってい
る宿泊場所は、小高い丘の斜面を切り崩して作られたコテージ郡の中でも、最も高い
位置にある―――――わかりきったことであるが階段を使うことは出来ぬため、わざ
わざ大回りをし、これだけの荷物が積まれたリヤカーを引いて傾斜の急な坂道をえっ
ちらおっちらと登らなければならないのだ。
それなりに身体作りはしているとは言え、尋常ならざる瞬発力を生み出し、また自身
が操る死炎の炎圧に耐えうるだけの筋力しか身に付けていないのだから、その嘆きも
至極当然と言えるだろう。
息吹きの色でもって全身を燃やす青木ヶ原樹海を視界の端に収めながら『こんなこと
なら、意地張ってないで獄寺君も連れて来てやればよかった』と小さく吐き捨てた綱
吉は、一度リヤカーを止め、腰を折るようにして両の膝へと手をついた。


せめて、着替えその他諸々が入った己のスーツーケースぐらい持って行って
くれてもバチは当たらないだろうに………。


人目がないということもあり、隠しもせずに大仰に嘆息してのけた綱吉は、後ろ向き
な決意と共に顔を上げ―――――その直後、小奇麗なその顔を強張らせた。




「―――――は?」




慣れ親しんだアスファルトも、道路標識も、陽光を受けてきらきらと輝いていた湖も
馬鹿みたいに晴れ渡った皐月の空もそこにはない。


深い森の中に、己は居た。







まだまだ続くよ、ぽちっとな!



ツナ様と花芽さんに愛の手を(・∀・)
あと1000文字。