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NewYear

 もう夕方の五時だ。三が日の大魔ヶ時なので一度藤原の自宅へ帰る事にした。
「章子さん・・、ごめんね。せっかくのお休みなのに。」
 彰子がこそっと呟いた。昌浩が急な仕事で昌浩との縁日はお預けになったのは同じだが、自分はいつでも会える。
 初詣は家族と行った。昌浩と出かけるのは十日えびすでもいい。
 でも章子は仕事で忙しく、家も学校も都区内だ。
「・・そうね。」
 肩で風切りながら章子はスタスタ歩いていく。
「昌浩様。今生もこうなのね。」
「様は要らない。それに昌浩は昌浩よ。」
「それなら同じだわ。」
「ち・が・う。」
 何度目かの押し問答だ。どちらも譲らない。
 章子がふふっと笑った。
「・・・。」
 同じ顔で、ただショートヘアが活発な印象を与えるので複雑だ。
「・・章子さん。」
 にこっとモデルスマイルで彼女は笑った。
「顔を見れたからいいわ。」
 それはまた会いにくるということで。
 それはそれで彰子には複雑で。
 章子は続ける。
「それより本当に行っていいのかしら。あなたの家。お母様がお気を悪くなさらないかしら。」
 確かに腹違いというのは複雑で。
 彰子は立ち止まりポツリ呟きながら肩を竦める。
「本心はわからないけど、同じ顔を邪険にされたら困るわ。」
 章子は目を丸くする。
 そして再びふふっと笑った。
「それはそうね。」
 そしてモデルらしいいなせな歩き方で前を歩いていく。
 彰子は追いついて横に並んで腕の服をつかむ。
 そして家はこっちだと手を引いた。


[12/1/2]
元気な2人が書きたくて。
ちょうど正月なので正月物を。

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苦笑

あの日、あの時、その声にいらえていたら、
これほどの苦しみを合わずにすんだのだろうか。

呪う。
呪うは、あの時の自分。


緊張することに慣れた体、荒んでいく心。
明日が望む明日でないなら、来なくていい。

傍にいることが叶わないなら、
鏡の向こうに映して、捧げて、
永遠を、生きる。

それが化生だとしても。



開けない夜の闇に体を起こす。
見えない敵に守るものの無い力を放つ。
口端だけで笑った。

愛しさよ、憎しみへと帰せ。


[11/12/24]
うわ、クリスマスにこれは無かろうな文章。

昌浩らしくないと思われてもいーんです。
私の中ではこんな感じ。
きれいすぎるのは、うそだーともおもういますし。
少年陰陽師のアニメ見て思いついた一文。



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