皆さま、こんにちは^^ いつもご訪問そして拍手をありがとうございます!! なんとか、生きておりますので 生存報告を兼ねて、お礼SSを更新させて頂きます。 楽しんでいただければ嬉しいです^^ ******************* アンナ・マデリーナ ~A Lover's Concerto~ 自分の街をよく知ろう などというスローガンを掲げて行われた 白金高校の課外活動。 慎たちが卒業した後、 新しく受け持った生徒たちを連れて 久美子は今日百年山に来ていた。 地元の人たちの案内で、 山の中に作られた古い石碑などを見て回る。 通常歩いているだけでは、見過ごしてしまいそうな石も 実はその昔武士が置いた目印だったり なかなか面白いものである・・・・ などと、白金生が感じるはずもなく、 生徒たちはめいめい好きなところに遊びに行ったりするので それを見張るのに精一杯であった。 「くっそぉ~、あいつらめ・・・」 久美子は拳を握ってキョロキョロする。 【この先ケモノ道、危険!!】 と、書かれた標識を、 逆に面白がって走って行ってしまった俵たちを追いかけて やってきたのはいいが すっかり見失ってしまったのだった。 「ちっくしょぉ、あいつらめ、 何処に行きやがった・・・・。」 と、その時。 ピピピピピピ 久美子の携帯が鳴る。 画面に表示されたのは藤山の文字。 「あっ、もしもし、藤山先生?」 『山口先生?生徒たち、無事に見つかったわよ~』 「えーっ、そうなんですか?良かった。 じゃあ私も戻りま・・・・」 ブツッ 「あああああ!!!」 久美子が慌てて携帯の画面を見ると、 すでに真っ暗になっていた。 「そっか、さっき先生たちと電話かけまくったから バッテリーなくなってしまったんだな・・・」 久美子は仕方なく携帯を赤いジャージのポケットにしまう。 「ま、生徒たちも見つかったってことだし、 帰るとするか」 久美子はそうつぶやいて、元の道を歩こうとした。 が・・・・。 「え・・・・・?」 久美子はタラーッと汗を流す。 来た道はケモノ道。 というか、道らしい道はなく、 すっかり迷ってしまったようだった。 しかも、追い打ちをかけるように ごぉぉぉぉっと大きな音を立てて木々が揺れる。 これは、嵐の前触れといえるような風だった。 「・・・・・・・・・・・・・」 久美子は、頭が真っ白になる。 「・・・・・ま、別に知らない山っていうワケでもないし? とりあえず、歩くとするか・・・・」 そう自分を奮い立たすが、 先ほどまでは木々の隙間から青い空が見えていたというのに、 もくもくと黒い雲まで立ち込めてきていた。 「よしっ!!こういう時は歌でも歌おう! そうだ!こないだ藤山先生に教えてもらった歌がいいな。」 ♪た~ららららた~~~♪ ♪♪た、た~ら~たらららた~らら~♪♪ 久美子は大声を張り上げる。 バサバサバサっ、 久美子の声(歌?)に驚いて鳥たちが舞い上がる。 そして、山はますます深くなるばかりだった。 久美子はみるみるうちに不安になる。 どんな大男たちにも、負けない久美子も自然には敵わない。 こんなとき思い出すのは、やはり沢田慎の事だった。 ちくしょー、沢田、何してやがる・・・ ってか、アイツも今日は学校か・・・・ などと、逆切れしたり、自分でツッコミを入れたりしてみる。 久美子はもう一度歌を口ずさむ。 『この曲はね、ラブソングなのよ』 藤山のそんな言葉を思い出す。 『ピアノの初歩的な教本に載ってるの。 バッハが誰でも簡単に弾けるラブソングを、 妻に贈るために作った曲なのよ』 こんな裏話を聞いてしまうと、 なんだか同じ曲でも愛おしく感じるのが不思議だ。 久美子はもう一度大声でその曲を口ずさむ。 そうして久美子は、茂みを両手で勢いよくかき分け足を踏み入れた。 が、その先にはあるはずの地面がなく。 なんと崖で、久美子は勢い余ってまっさかさまに崖の下に―――――!!!! 次の画面に続きます |
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