ありがとうございました! 特訓(策瑜) 雄飛の時のタメ時間が大幅に伸びた。 0.5C→2Cと約4倍である。 この計略はタメ計とは思えないほどの、タメ時間の短さが売りだったのに。 このままでは、使えない計略になり下がってしまう。 気をためるのに時間がかかってしまうのは、きっと集中力が落ちたせいだ。 ならば、次Ver.までに集中力を高めて、絶対にタメ時間を1C以内に縮めてやる!! そう決意した孫策は、通常の訓練のあとに周瑜を呼びとめた。 「公瑾!!俺に特訓をつけてくれ!!」 孫策の申し出に、周瑜は意外そうに目を瞬かせた。 「私が?伯符に?」 「おう。あの瞑想するやつを頼む。」 「珍しいな。伯符が瞑想とは。」 確かに、俺に瞑想は似合わないかもしれない。 でも、タメ時間短縮の可能性があるなら、なんでもやりたい気分なんだ。 「集中力を高めて、タメ時間を短縮するには良さそうだろ?」 「そういうことなら、喜んでお相手しよう。」 周瑜も俺がタメ時間延長を気にしているのを知っているから、快く引き受けてくれた。 さっそく、兵士達を帰したあとの、訓練場で特訓をすることになった。 周瑜と数歩分の距離をあけて向かい合い、座禅を組んで座った。 「まずは、目を閉じて。」 周瑜の言葉に従い、目を閉じた。 「雑念を払い、心を落ち着ける」 周瑜の声に従い、ゆっくりと呼吸をしながら、心を落ち着ける。 少しずつ透明度が増していく意識の中に、導くように周瑜の声が届く。 「自分の周囲に静かに意識を広げていく。ゆっくりと全てを感じてくれ。」 虫の声や鳥のさえずりや木のざわめき、人の話し声や気配。 目を閉じているのに、まるで高いところから見わたしているかのように、 周囲の様子を手に取るように感じる。 周囲に、溶け込み同化していくような感覚の中、 目の前に座っている周瑜の存在が、際立って孫策を引き付ける。 「なんでもいい。いま広げた感覚を何か一つに集中させて。」 その言葉に従って、今まで広がっていた意識が全て周瑜に集まって行く。 周瑜の呼吸を感じ、自分の呼吸を合わせる。 距離があるはずなのに、周瑜の脈動までも聞こえてくるよう。 「私の声が聞こえないぐらい、それに集中を」 周瑜にそう促されたが、周瑜の声ほど鮮明に聞こえるものはない。 周瑜のこめかみから流れる汗の軌跡すら追えるほど、意識が集中する。 「今日はここまでにしよう。」 どのくらい経ったのか、時間の感覚さえあやふやになった頃、周瑜に言われて、目を開けた。 ふぅ~と、集中がとける。 意識が研ぎ澄まされて、しっかり集中できた上に、心地良い瞑想の時間だった。 「この特訓、悪くねぇ。」 孫策が素直な感想をこぼすと、周瑜が嬉しそうに笑った。 |
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