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49 それなりに

「もう!レイ聞いて!バサラってば、『私のこと本当に好きなの?!』って訊いても、それなりに、って!なぁによ『それなり』って!全然いい意味じゃないわ、絶対!」

ミレーヌは隠し事の出来ない性質だったから、彼女とバサラがどうこうなったという話は直ぐレイの耳に入ってきたし、ミレーヌから漏らされるバサラへの小言のジャンルに多少の変化があったので(つまり単なる「愚痴」から「惚気」への変化ということだ)、レイの意図せずとも、二人の関係については認知していた。
以前からレイは、喧嘩する彼らの中立的な立場に立つことが多かった。
それは痴話喧嘩となった今でも、同じなようだ。

「ほう……?バサラにしては、素直じゃないか」

「何が素直なのよぉ!全ッ然じゃない!もしかして、それが本音ってことなの?!」

頬を膨らまして更に高い声を上げるミレーヌに苦笑して、レイは彼女をなだめようと優しい声で問うた。

「なぁミレーヌ、バサラの大好物って、何だか知ってるか」

「いきなりなによ……えっと、いつも食べてるからホットドッグ?あと、レモネードかしら?」

「ああ、正解だ。2つとも、バサラが『それなりに好きなもの』だと」





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