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ざく、ざく、ざく
硬い地面を掘る音がこだまする


「……やってらんない」


私は、はぁーと長い溜息をついて天空を見上げた
地面を掘り出す前は太陽が出てたってのに
今は夜の帳も下りて綺麗な月が輝いていたりする


だいたい
何でこんな事になったのよ?


苛々と舌打ちすれば思い出される昼間のやり取り


『そういえば…玉璽が見つからねぇんだよな』


我らが君主、孫策様が思い出したように呟いた
それはもう全員が凍りついたように固まったのを覚えてる
玉璽といえば、孫堅様から貰い受けた皇帝の象徴
いうなれば玉璽をもちうる者がこの国一番の権力者なのだ


『無くさねぇように埋めたんだけどよ…どこに埋めたかが分からねぇんだ』


困ったよな、と孫策が笑う
こともあろうに玉璽をどこかに埋めた!?
ますます失くすわ!と、つっこみたいのも山々なのに言葉が出ない
いつもなら「元気があって宜しい!」と笑い飛ばす黄蓋も絶句している


『…ってことで、みんな探してくれ!』


神聖にして犯すべからず、なんて言葉も残されている玉璽がないのは一大事
全員が玉璽探しに強制参加となったのだ











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