クルクル変わる、その表情

(夜一×砕蜂)



感情のままに手を伸ばそうとしたら止められた。

理由を聞けば職務中と言われる。

仕方が無いので好意を口にしようとしたならまた止められた。

訳を問うたなら仕事が手に付かなくなると返された。

それでは何も出来ないではないかと少女を咎めるように見れば

彼女は目を細めそこに居てくれるだけで十分ですと花が綻んだように実に嬉しそうに笑った。

胸を射ぬかれるのはこういう事かと思った。

押さえ切れなくて抱き締めた後、嬉しそうだったその顔は真っ赤な林檎のように一瞬で赤く染まり上がり

今すぐ食べてしまいたいと耳元で囁いたなら、今度は驚きで突き飛ばされた。

そして突き飛ばしておいて即座に真っ青になる顔に、夜一は声を上げて笑った。

当然少女はきょとんとなる。

次いで心配そうな目を向けて来て、最後は訳も言わず笑い続ける夜一に拗ねたように唇を尖らせた。

見事なその七変化顔に、夜一はやはり声を上げて笑った。




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あと1000文字。