「ここはサボり場じゃねーぞ」
彼は健康な生徒は滅多にお世話にならない保健室の主である。
咳き込みながら前髪を上げると、シカマル先生の手が伸びてきた。 期待しながらその手がおでこに触れるのを待っていると、 「あいたっ!」 痛い。でこピンされた。 「あほか。ったくおまえみたいな生徒がいるからめんどくせーんだよな」 ぶつぶついう先生はかっこよくて。 他の女の子たちからも人気なんだよね。シカマル先生。 めんどくさがりだけど、怪我とかしたらちゃんと面倒見てくれるし(まぁ、それが仕事なんだけど) 他の先生にはいいにくい相談なんかものってくれるし(これも仕事の範囲なのかな) たぶん、じゃなくて確実にシカマル先生にとって私はただの女生徒Aなんだけど、 でも、それでいいんだ。 「ほんとはね、シカマル先生に相談があるんだ」 「なんだ?」 ほら、その顔。仕事モードだ。 「あのね・・・・・・・・・・・・・」
でも、そんなことしたら先生は気づいちゃうんだろうな。私の気持ちなんてすぐに。 だって私正直だし?
「先生相談のってくれてありがとう!また来るね!」 「おう。もう来るな」 「えー」 でも先生は分かってる。私がまた他愛もない相談でここに来ることなんて。 私は正直な臆病者だからこうやって距離を縮めるしかないんだ。 いつかは先生の彼女になってやる!
丸聞こえだっーの。そういうシカマル先生の顔は笑っていて、 「あーあ、めんどくせーことだ」 と呟いていたことなんて私は知らない。
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