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上へ上へ。限りなく上へどこまでも俺を追い抜いていきそうなお前を、
俺は引きとめることはできない。
それはきっと、俺もテニスが大好きだからなんだろう。
「なぁ、どっちかって言ったら俺とテニスどっち取る?」
「どっちも」
そんな即答。そう答えると思ったけどな。
悩んで欲しかったって言うのは贅沢なんだろうか。
「桃先輩だってそうでしょ?」
越前のことが好きになってから、何も手につかない日がある。
それを考えると、俺もそうだとは即答できないかもしれない。
「これだけ言っとくよ」
そんな言葉と一緒に、越前との距離が一気に縮まった。
「桃先輩、俺アンタ以外にテニスと同等だって思える人・・他にいないから」
可愛く背伸びをされて、軽くキスをされて・・当然のように俺はその体を抱きしめる。
結果、俺かテニスかなんてどうでもよくなる。
さりげないその言葉は、今一番の俺の幸せ。 |
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