お礼SS



(ヒノエ×弁慶)
by 美月


更新日:10.27


















拍手ありがとうございます!!



お久しぶりの拍手更新が、

同い年子ヒノ弁ってのもどうなのか(苦笑)

このお話は、現代で

もしもヒノエと弁慶さんが同い年だったら

幼稚園児ver.です。

お話は全部で5つです。

この設定が苦手な方はご注意下さい。











1











「まあ、可愛らしいお嬢ちゃん。」



そう言われることに、弁慶は慣れていた。

だから、いちいち怒ったり不機嫌になることも、無意味だと思っている。



否定したって、その場が気まずくなるだけ。

ヒノエもよく「お嬢ちゃん」を言われるけれど、ヒノエはしゃべるとすぐに分かる。



父親似のいかにも生意気そうな口調は、男の子そのものだ。



「…あー、コイツは…、」



少し苦笑しながら否定しようとする湛快の袖を引いて、

弁慶はにっこりと笑った。



「…ありがとうございます。

 そろそろ行きましょう、『おとうさん』?」



『おとうさん』を強調して言えば、微かに湛快は眉を顰めた。

ヒノエからも言われないその呼び名を、可愛い弟に言われるのも、

悪い気はしないけれど。



「あ?

 お、おう…。」



「まあ、本当に可愛らしいこと。」



今日もそんな風にやり過ごす。

湛快は苦笑していた。



「―お前、否定しなくていいのか?」



「…めんどくさいじゃないですか。

 どうせ、ごめんなさいね、なんていわれて、

 きまずそうなかおをされるだけです。」



「―もっと子どもらしいことを言え、弁慶。」



湛快のため息も何度ともなく聞いている。

弁慶が男の子でも女の子でも、通りすがりのあの人には

どっちだって関わりない。

だから、どうせ二度と会わないであろうその人に、

いちいち否定することに、弁慶は意味を感じなかったのだ。



「…お前がいいなら、別に構わねえけどよ。」



湛快は、ひとり言みたいにそう言って、その話題から離れた。

この弟は、幼稚園児とは思えないほどに賢く、

大人びたことばかり言う。

けれどその外見は、といえば。

外国の絵本の中から出てきた天使のような愛らしいもので、

はちみつのように淡い色の髪はふわふわと波打ち、

ぱっちりとした瞳は、黒目がち(と言っても瞳の色は黒ではないが)で

睫だって長い。

頬はほんのりと桜色で、肌は雪のように真っ白だ。

女の子でも、そうそうこんな可愛い子はいないと思う。

身内の贔屓目を横においたとしても。

そんな湛快の考えなどまったく気づくこともなく、

弁慶は読みかけの本を抱えて、静かに歩いていた。













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