おや?またここで会ったな。俺の誕生日以来・・・か?
あの日は、なんだかんだで、随分みんなが張り切ってアレコレと準備してくれて、なんだか気恥ずかしい気分になった。勿論、嬉しかったぜ。ああ、でもランディがマルセルの手伝いで作ったっていうブーケは酷い出来だったが。・・・フッ。まあ、あの不格好さも一つのプレゼントの形ではあるよな。

ん?この間聞いた事の答えが知りたい・・・?
質問は、そう・・・。何故、俺が誕生日に、ここで独りでいたか、だったか。

なんて言うんだろうな。人を祝うのは好きだし、祝われるのも勿論好きなんだが。・・・なんだか誕生日を迎える毎に、段々聖地で俺の生誕を祝われるのが、『堪える』ようになってな。
いや、違うんだ。決して嫌だとか鬱陶しいとかではなくて。
・・・何と言えばいいか、つまり、その逆だ。

陛下や女王補佐官殿に祝われるのは『男冥利に尽きる』とも思うし、『守護聖冥利に尽きる』とも思うから、男としても、職務を全うしようとする者としても、純粋に誉れだと思えるんだが・・・。
その、男性から、この年になって、誕生日を祝われるなんて、想像もしていなかったからな。
もっとはっきり言えば、なんであんなに楽しそうに、他の男の誕生日を祝ってくれるのかが、こう、あまり・・・理解できない、というか・・・。

いやいやいや!!
照れている訳じゃない。そうではなく・・・。
・・・まあ、お嬢ちゃん相手にこんなに力一杯弁明しても仕方が無いよな。
フッ。つまり、それで少しばかり一人になりたくなっちまってな。
主役が居なくても、パーティを楽しむのには、苦労したりしないからな。アイツらは。
少しだけ、華やいだ場を離れて、祝われてる事を噛み締めてたのさ。

俺達は万能じゃない。不死身でもない。
だから、生まれた事を祝う。
生誕を祝うというのは、死ななかった一巡りの日々を祝うという事でもある。
無事に、護り通した一巡りということ・・・それは守護聖にとっては、実際に祝うかどうかを別にして、重要で、祝うに値することなんだぜ。

・・・何故、お嬢ちゃんに、俺はこんな話をしているんだろうな。
不思議だ。
不思議だが、もう少し、こうして話していたい気分だ。
もっと、正直に言えば、話なんかしなくたっていい。

木漏れ日を受けて笑う君が居れば。

・・・・・。

オスカー



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