みくると夢主。



「ねぇ、みくるさん」
「なんですか?」
みくるさんが私を見上げる。
ちょっと上目遣いなのはポイント高い。狙っている感が見えると萎えてしまうからやはり適宜が良いのだ。……私は何を考えているのやら。
「……あいしてるってなんて軽い言葉なんでしょうね」
「…え?」
「すみません、ちょっと感傷的になっている自分に酔いたくなっちゃったみたいです」
詩人を気取っていたいわけでもないけど、本当にたまに。悲劇のヒロインにでもなってしまったみたいに。
自分に酔うなんて。
晒した行動の恥ずかしさからいたたまれなくなって、いっそおどけてしまうかと思い口を開こうとすると、
「ちょっとかがんでもらって良いですか?」
と、みくるさん。
言われた通りに従うと、小さな掌が私の頭に乗せられた。そのまま優しく撫でられる。
「良い子、良い子」
……みくるさん。
「…なんて。慰めようとしたんです、って言ったら怒りますか?」
少し困ったふうに私の頭から手を離して笑うみくるさんは、相変わらず可愛かった。
きっと私は、この種の反応を期待してみくるさんへ口を滑らせたんだろう。申し訳ないと同時に、思った以上にみくるさんのことを好きになっていたらしい。
「ありがとうございます、みくるさん」
「どういたしまして」

ギャップ萌美少女が、少し頼もしく思えてしまった日。(……でも私、頼るより頼られるほうが好き…!)





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みくるだってしたたかな女の子だもん!
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