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お礼の塚菊小話書いてみました。

良かったらどうぞ。

少しでも楽しんで頂ければ幸いです。









ワガママ。。。





部活が終わり、明日の練習についての打ち合わせを終えた手塚。


今日はこの後生徒会でも打ち合わせが残っていた。


腕時計を見ながら足早に部室に戻ると





「お疲れ。」


「菊丸・・・」





誰も居ないはずの部室に恋人がいた。


菊丸の顔を見て少し肩の力が抜ける手塚。





「今日はもう帰れる?」


「いや、この後生徒会の打ち合わせに顔を出す」


「そ。じゃぁ先に帰る。」


「そうしてくれ」


「うん・・・・・」





先に帰ると言った菊丸だが、手塚が着替え終わっても帰ろうとする様子が無い。





「帰らないのか?」


「帰るよ。」


「だったら行くぞ、鍵を閉める」





手塚が鞄を持って部室から出ると、菊丸もやっと鞄を持って立ち上がる。


先に出た手塚が部室のドアを開けて待っていると、菊丸はドアの直前で立ち止まったまま俯いて動かなくなった。





「菊丸?」


「・・・・・・」


「どうした?」


「・・・・・・い」


「すまない、もう一度言ってくれないか?」


「淋しいって言ったの!!!」





急に怒鳴る菊丸に手塚は驚いて目を見開く。





「一緒にお昼ご飯食べたい!一緒に帰りたい!一緒にいたい!」


「菊丸・・・」


「一緒に・・・いてよ・・・・・」





顔を上げた菊丸の目には今にも零れ落ちそうなほど涙が溢れていた。


手塚は何も言わずに部室の中に戻るとドアを閉め、菊丸を抱きしめる。





「ごめん、ワガママ言って・・・」


「いや、いい。気付いてやれなくてすまなかったな・・・・・」





手塚の腕の中でフルフルと首を振る菊丸。


そういえば最近元気が無かった菊丸。


それは自分が忙しくてあまり構ってやれなかった事が原因で。


いつも明るく元気な恋人に、あんな辛そうな顔をさせたのかと手塚は深く反省していた。





「何時になるかわからないが、帰りに迎えに行く。今日はうちに泊まりに来い」


「でも・・・明日朝練あるよ?」


「構わない、俺もお前と一緒にいたい。」


「手塚・・・」





菊丸は嬉しそうに手塚の背中に腕を回す。


手塚は優しく菊丸の髪を撫でていると、ふと自分の腕時計が目に入る。





「すまないが・・・そろそろ行かないとならない」


「ん、わかった。鍵、オレ閉めとくよ」


「頼む。」





手塚は菊丸に鍵を渡すと部室のドアに手をかけたが・・・

すぐにドアから手を離し菊丸の元に戻って来た。





「え、どしたの?」


「忘れ物をした」





手塚はそう言うと菊丸の頬に手を添え、唇に触れるだけのキスをした。





「学校を出るとき連絡する。気を付けて帰るんだぞ」


「うん・・・手塚も。打ち合わせ頑張ってね」





手塚は優しく微笑むと、よっぽど急いでいるのか走って生徒会室に向かった。


菊丸はそんな手塚を見送りながら


自分の我が儘で恋人に忙しい思いをさせてしまったことを少し反省しながらも





「今夜謝ろ・・・」





今夜一緒に過ごせることを考えると顔が緩み


部室の鍵をしっかり閉めるといそいそと家路についたのだった。





END.








読んで下さってありがとうございました。

Sweet Kiss 管理人@兎





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