建てつけの悪い雨戸を開けると目の前に広がる海に相葉が感嘆の声をあげる。
「うわ・・・すげぇ・・・」
思った通りの反応に嬉しくなり思わず口角が上がる。ダンボールから食器を出す手を止め相葉に声をかけた。

「だろ?」
「え、にの知ってたの?」
「もちろん。びっくりさせたくて雨戸閉めといた」

すげぇ!すげぇ!と騒ぐ相葉に他の部屋にいた3人が集まってきた。
どしたの?と声をかける翔ちゃんに、ほら!と窓の外を指差せば相葉と同じ反応をする翔ちゃんがいた。



2月末に決まった2年間の出向。
新工場の立ち上げで今回はちょっと長期間の出向になる。
会社からはマンスリーマンションならぬマンスリー一軒家を宛がわれた。
小高い丘の上に立つ平屋の一軒家。
空き家対策に市が管理しこうして貸し出しているのだそう。
築100年はくだらない一軒家は、バストイレキッチンは綺麗にリノベーションされていた。
担当者によれば「風呂は五右衛門風呂だったんですよ」と。それも魅力的だけど日常生活を送るのには厄介だろう。
でもそれ以外は古いままで、居間の天井にはでっかい大黒柱。天井はもちろんびっくりするほど低い。
この家に入ってまだ1時間と経っていないが、その間にも相葉は何度か鴨居に頭をぶつけていた。
裏山にはみかん畑広がり、無農薬のみかんが食べ放題らしい(消毒までは手が回らないが下草は季節ごとに刈ってくれるらしい)
相葉にそれを告げると「マジか!冬には泊まりに来る!」と言っていた。




家のど真ん中にある真っ黒でぶっとい柱にぺたぺた触れながら「なんでこんな黒くなんだろうな」と翔ちゃんはじみじみこぼした。
「ああ、なんか、かまどもあったみたいよ」これも担当者が言っていた情報だった。
あーだからか、と翔ちゃんは納得した様子だったが相葉は「え、なんでなんで?」と言った。
「ほら、煤で」
「・・・ほぅ、なるほど」
「お前、全然わかってねぇだろ」
翔ちゃんは呆れ顔で、相葉はヘラヘラ笑っていた。






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このあと5人でビールを飲むのであった。
(っていうのを書きかけで放置の巻)

ニノちゃんと古民家ってめちゃめちゃ合うよねー!
(とかいうのを書きたかった模様)



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