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 秋。いつものようにおれは店番をしながらアホ面を下げて店の前の道路を眺めていた。
 秋の日の光は長い。照らしている時間がとかではなく、純粋に光線としての長さがだ。そのくせ妙にやさしい。夏のように、生きとし生けるものすべてを茹で殺してやろうというぎらぎらした殺意もなければ、冬のような地上をどこか見下した冷ややかさもない。平和ボケした老人ホームみたいに、中途半端にならされたアスファルトをのんびりとオレンジ色に染めている。
 オレンジがかったアスファルトとちらちらと光を反射する埃をかき乱すように、店の前を思い思いに着飾った女たちが横切った。チョーとかヤバイとか連呼しながら通り過ぎていく集団を目で追っていると、充電器に差しっぱなしの携帯が着信を告げる。発信者はタカシ。相変わらずのクーラーみたいな声が、温度設定を間違えでもしたのか妙に生ぬるい。耳を疑った。

「マコト、今暇だろう。ちょっと出てこないか」

 おれはさっき見たばかりの集団を思い出してちょっと考える。

「チョー忙しい」
「おまえに会わせたい奴がいる。10分後にウエストゲートパークで」

 携帯の向こうで少しだけ馬鹿にするように空気が揺れて、タカシはそれだけ言って一方的に切った。
 相談でも頼みたいことでもなく、会わせたい奴。

 なんだそりゃ。





ルールその1:王様の命令は絶対です
(続きます)





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