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 新しい酒瓶を抱えて戻ってみれば、相手は縁側で仰向けに寝そべっていた。片膝を立て
て裾を乱し、両手を頭の下に組んだ格好は寛いで、鴆は知らず、笑みを浮かべた。
「どうした?」
 脇に胡座をかけば、わずかに顔が傾けられる。鴆が膝に抱いた瓶を認めて、リクオは上
半身を起こした。
「……もらうぜ」
「そのつもりだけどよ。寝てんのかと思ったぜ」
「喉が渇いて、寝てもいられねぇ」
 酒瓶を取り上げると、傍らの盃になみなみと注ぎ、リクオは一息で飲み干した。先刻か
ら二人とも既に結構な量を呑んでいるが、リクオの見た目は変わらず、実際にもほとんど
酔っていないことはこれまでの経験でわかる。
「……おい。水みてぇに呑みやがって、こんないい酒、バチが当たるぞ」
「知るか。酔えねぇ酒をありがたがれって言われてもなァ」
「おめえは何呑んだって滅多に酔わねぇだろうが」
 答える代わりに、リクオはもう一度酒瓶を傾け、盃を充たした。今度も無造作に盃を干
し、酒瓶を脇へと置く。
「邪魔したな」
「……おい、」
 腰を浮かしかけたリクオの腿を、後ろから廻された鴆の脚が押さえる。
「せめて少しは味わって呑んでいきやがれ。もう一杯は付き合えよ?」
 相手の肩に顎を乗せ、耳元へと悪態をついてやる。リクオが頬で笑んだ気配が伝わった。
「味わってはいるつもりだぜ? それとも、」
 振り向いた瞳が細められて、鴆を挑発する。
「……教えてくれるのかい?」
「……知らねぇなら仕方ねぇな」
 酒瓶から直接、酒を口に含む。半分飲み下し、鴆はリクオへと唇を重ねた。薄く開けら
れた唇から、含んだ液体を流し込む。
 鼻腔に強い酒の香が立ち上り、鴆を刺激した。触れている膚から、リクオが含んだ酒を
飲み下したとわかる。そのまま舌を差し入れ、思うさまに蹂躙した。速くなる一方の鼓動
は、酒のせいか、眩暈すら覚える口付けのせいか。
「……ぁっ、……鴆、」
 掠れた声は情欲を浮かべて、リクオの酔いを伝えた。
「まだ、付き合えるだろう?」
 頷きを待たず、鴆はリクオの唇へと己を重ねた。




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