そうだよ、そうだったんだよ。 俺はお前に「兄貴」と呼ばれて慕われるはずだった。 判らないことは全て教え、頼られて。 生まれて初めて頼られるはずだったんだよ。 寄り添われて。 アレは何だと聞かれて。 そして、俺はそれを一つずつ教えていくんだ。 お前は快活に笑って、俺に感謝して。 兄弟仲良く。 王子と俺とナッパとお前とで。 ずっとずっと暮らしていくはずだったんだ。 兄弟一緒の未来を夢見て。 お前が飛ばされた青く輝くチンケな星に行ったんだよ、俺は。 「お笑い種だなぁ、ラディッツ」 「・・・あんたまだ転生しないのか」 「そんな冷たい事言うなって」 「消えてくれよ」 「お前のその甘ったれた考えを消しちまえ、ガキ」 「あんたから見たら俺はいつだってガキだよ、親父」 ・・・ほぉんと。 笑えちまうぜ。 こんなはずじゃなかったと一人涙を流して。 想い描く弟瓜二つの父親に涙を拭ってもらうなんて。 嗚呼、でも。 俺はやっぱりお前と少しでもいいから生きてみたかったんだよ。 「カカロット」 ***** DRAGON BALL*ラディッツからカカロットへ ***** 拍手ありがとうございました! |
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