御 礼 小 説
不良少女×腹黒教師からある授業の後。
もし腹黒先生が無愛想でネアがおしゃべりだったら。
不良少女→ネア 腹黒教師→先生
ネア「先生、今日久しぶりに国語の授業出たんです。ほら、二時間目先生がトイレに行っている間、同じクラスの佐々木さんが準備室を覗いてて」
先生「……」
ネア「『先生何処にいるんですか』って顔が歪んでてさぁ、『生憎いませんよ、佐々木さん。御不浄に行かれました』っていったら」
先生「普通にトイレで良い」
ネア「あら、先生。先生は一応目上の方なんですよ? 私が敬わないと生徒の誰が敬うんですか」
先生「(敬っているように聞こえない)」
ネア「それでですね、佐々木さんがショック受けた顔になりまして、そんなに先生の顔が見たかったんですかってな感じでして」
先生「……」
ネア「あ、そう言えば」
先生「(脱線しだした)」
ネア「マリー、佐々木さんに見つかりませんでしたよ。よかったですね。まぁ準備室に入ろうとするのをあたしが阻止したんですけど。
そうしたら佐々木さんがむっとした表情になって『どうしてあなたが止めるのよ』なんていうんですよ。
あたしはただ先生の名誉を守ろうとしただけなんですよ? ほら、先生がマリーを大事にしているなんて噂が広がったらたまんないでしょう?
あたしだって先生がマリーを好きだなんていったら卒倒します。石膏像に惚れる教師なんか気味が悪いだけですもんね。
丸山先生ならそうでもないと思えるかもしれませんけど。だってあの先生元から気味が悪いですもん。
あ、そうそう、それで佐々木さんが『そういえば遠山さん、最近授業に出てないわね』っていったんです」
先生「(戻った)」
ネア「次の授業自習らしいから是非教室においでと言われました。ふふふ、おかしいですよね。だって自分のクラスメートに是非、っていうんですよ?
あなたちょっと語弊があるじゃない、と思いました」
先生「へぇ」
ネア「国語の時間、はっきりいってつまらなかったです。話すこともありません。それに自習じゃなくて課外授業だったんですよ。
自習と課外授業。とっても違いますよね? 佐々木さんどこを間違えたのかしら」
先生「(そもそも国語に課外授業なんてあるのか)」
ネア「あーぁ、やっぱり国語はつまらないです。国語の単位取れなくても良いですむしろ日本人に国語の勉強させる方が間違ってますどう思いますか先生」
先生「さぁ」
ネア「じゃあこうしましょう。アメリカ人に英語を習わせるんです。英語は世界一難しい言葉と知られる日本語よりも文法が簡単なんですよ?
このときに英語を習えと言われて先生は大人しく勉強しますか?」
先生「……」
ネア「じゃあむしろこうしましょう! 知っていますか、先生。イギリスとアメリカでは同じ英語でも発音が少し違うんです。
イギリス人ではテイクイットをアメリカ人はテイキットと発音するんです。略しすぎですよね、アメリカ人。あたしはイギリス人の発音を好みますよ。リスニングが楽ですもん。
で、仮にもし先生がアメリカ人だとしてイギリス英語を習うとします。無意味だと思いません?多少誤差があっても元は全く同じ英語なんです。
あたしたちが国語を習うのと同じような気がしてきません? ほら、思うようになってきたでしょう!」
先生「……」
ネア「つまんないです、先生」
先生がちっとも腹黒になりません。恐るべし、ネア。