★拍手ありがとうございました★



delicate white fingers




綺麗な手をしているな、と思った。



俺の手とは全然違う。

水仕事とか力仕事とは無縁な、生活感のない綺麗な手。



俺とは別世界の。

似ても似つかない人。



別に自分と彼を比べてその違いに卑屈な気分になる程に世を拗ねちゃいない。



ただ、あの手が。

あの綺麗な手があの人の髪をかき回していた光景を忘れる事ができないから。



慣れた仕草で当たり前のように彼に触れる手。

辛さの中に嬉しさを隠しきれない彼の後ろ姿。



あの光景を俺は決して忘れる事はないだろう。


例え彼の中に恋心がなくても。



それでも。



どうか、あの綺麗な手が二度と彼に触れる事がありませんように。




END




こんなトコまで読んでくださったり、パチパチして下さった方どうもありがとうございました。
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