今日は女の子の勇気を出す日!

微かに甘ったるい匂いを漂わせて、鞄の中には綺麗にラッピングされたアレ。

なのに何故だろう、机の中には紙切れが一枚。





「ひぃっ!?…何これ」





よく脅迫状とかで見るような雑誌や新聞の文字を切り取って作られた文章。

放課後、裏庭。

とだけ表記されていて、差出人も何も他にはない。

はて、一体誰だろうか…思い当たる節はないものの、私の想い人である桂くんのファンだろうか。

いや、誰にも私の気持ちは言ってないはず…そんなバレバレな態度だったのか?

だからといって行かないとどうなるかわからない。

これは行くしかないのか…と恐怖を覚えなが裏庭に向かうのだった。





「あれ?誰もいない…」





早く着きすぎたのだろうか、誰もいない。

と、思った瞬間に肩を叩かれた。

ビクリと身体を震わせ、恐る恐る振り返れば、そこには見慣れた姿が目に入った。





「なんだ、エリーか…ビックリさせないでよ」

『受け取って下さい』





そんな看板を手にしながらもう片方には花束が…。

えっと…これは一体…。





「なぜエリザベスの気持ちを受け取らない!」

「えっ!?桂くん!?えっあっ」





さぁ、早く受け取れ!と凄む桂くんの隣にウルウルと目をさせた(ように見える)エリー。

そんな二人に私もたじろぐ。





「えっと…その、あの…ごめん!エリー!!受け取って桂くん!!





一瞬の間の後、エリーは花と看板をその場に放り投げて駆け出した。






「勘違いするなよ!甘い物が好きなんだ」





桂くんはバッと私の手からそれを奪い取ると、エリザベスー!!と叫びながらエリーを追い掛けていった。

投げ出された花束を手にして、彼等を見送った。

果たして私に勝算はあるのだろうか…。





おわり
(エリーの看板に『ヅラのくせにでしゃばってんじゃねェ!!』とか書いてあったらイィな)





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