**Lesson☆前編**
「まさかそれ、本気で思ってるわけじゃないよね、竜崎」
鋭く桜乃を射抜く瞳を持つのは、越前リョーマ。
蛇に睨まれたカエルの如く、身をちぢこませて居るのは、
同級生の竜崎桜乃だ。
「りょ、リョーマくん…?」
リョーマの呆れとも、怒りとも取れる声色におびえ、
その名をしどろもどろに呼ぶ。
目線はもちろん、顔色をうかがうように上目遣いに。
――ことの起こりは、数分前。
初夏。
夏休み間近と言うこともあってか、リョーマの下駄箱には
とぎれることのない手紙や、プレゼント。
それを持ってきて、屋上でいつものように寝ていたとき。
竜崎先生からの伝言を伝えに、リョーマを探していた桜乃が見とがめて。
「スゴイね、リョーマくん。一年生だけじゃなくて先輩にも人気あるもんね。
私なんて全然……」
そう言って桜乃が苦笑した後の台詞。
リョーマのその時の表情。
それが、
「まさかそれ…本気で思ってるわけじゃないよね」
――だった。
「だ、だってリョーマくんは人気もあるし、テニスもうまいし、英語だって
上手だし…!」
手をばたばた振りながら話す桜乃の耳に、リョーマの息を吐く音。
膝に肘を乗せて、その手でこめかみを支えるようにして、
「ホント……竜崎って鈍い」
リョーマが立ち上げるのが見えた。
その背には未だ高い位置にいる太陽。
「っ……!」
光が当たって、リョーマの顔が見づらくて、目を細めた桜乃の顎にかかる指。
リョーマが桜乃の顎を、指で絡め取っていた。
「教えようか? その台詞がどれだけ間違ってるか」
「リョーマ…くん……?」
ささやきかけるリョーマの吐息が、未だ混乱の中にいる桜乃へと、近づいていった――…
tobe…
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まず前編。
長かったので区切りました。
色つきのが今回のweb拍手に出てます。
1〜5はランダムで出ます。では。
続く(色つきの同イラストに載ってます・web拍手10回目)
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「拍手。ありがとうございます」
イラスト&SS 1/6番目 「リョ桜」でした。
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