ねぇ…ロイド。
私、苦しくなんてないよ。
私、悲しくなんてないよ。
痛みも、味も、眠りすら感じないこの身体…
ひとつ、悲しいのは…ロイドに、私の声で――…
伝えられなかったこと。
++君に伝えたい想い++
「コレット?」
「っ…!」
旅の途中、次の街へ向かう経路で足を止めたコレットに、
ロイドが振り返り、声をかけた。
一人、仲間から遅れてしまったコレットの元に、ロイドが駆けてくる。
「どうした、コレット。疲れたのか?」
「……っ」
ロイドがすぐ隣に来てコレットにそう語りかける。
慌てたようにコレットは首を振るが、言葉はない。
少し心配そうにしながらも、ロイドは「そっか」と言うと、
コレットの頭に手を置いて、ぽんぽんと軽く触れた。
「じゃ、いこう。もうすぐ次の街だから。頑張ろうぜ」
言って、笑うロイドの笑顔。
いつも、いつも。
すべてわかってしまっているかのように。
何も言わず、何も聞かず。
見守ってくれている君――
「……っ……!」
――ぎゅっ。
「…………え?」
服を引っ張られて、ロイドがその動きを止めた。
勢いをつけて腕を伸ばし、掴んだ為、コレットはその背へと
抱きつく形でぶつかってしまった。
「こ…コレット?」
背中にしがみつくようにしているコレットに、ロイドが不思議そうに名前を呼んだ。
ぎゅ、っとその服を掴んで、コレットは瞳を伏せた。
「ロイド」
と。
自分は声をあげたはずなのに。
声は音にならず、ただ空気が漏れたのみ。
天使化の副作用とも言えるべきもの。
「コレット、どうした、どっか痛いのか?」
未だ背中に張り付いたままのコレットに、ロイドが声をかける。
そんなロイドに、笑顔を見せて、コレットはその手に、指で文字を描く。
『大丈夫だよ、ロイドが、側にいてくれるから』
にっこりと微笑むコレットに、ロイドの顔が少し紅く染まり、
照れたように背を向け、
「じゃ、じゃあ、いくぞ」
コレットの手を取って、歩き出す。
繋いだ手から、その背中へ這わせるように視線を動かして。
見つめるロイドの背に、コレットは音にならない言葉で想いを紡ぐ。
『ロイド 大好き』
++++++++++++++++++++
というわけで。
声が出なくなった後のお話。
声って…痛みの後…でした…よね…?(うろおぼえ)
違ってたらゴメンナサイ…;
ロイコレはほんわか天然カップルで好きですよ〜。
逆に大人カップルはゼロしいで、
お子ちゃまだけどロイコレより精神年齢高そうなのはジニプレ(汗)
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「拍手。ありがとうございます」
イラスト&SS 2/6番目 TOS「ロイコレ」でした。
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