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◆ dog days of summer ◆






「あつい…」

「くっついたら余計暑くなるんじゃないですか?」

ここのところ雑多とした仕事が多く、気がついたら部屋の中は生活臭が満載で、
男所帯はコレだから、なんてことを思いながら、たまってしまった洗濯物を片付ける。
犬の日なんてとうに過ぎたはずなのに、この暑さはなんなのだろうかな。
そばにこの焔があるからだろうか。

「お前の肌はひんやりとして気持ちいいな」

「暑いの結構好きですよ」

汗ばんだ肌がしっとりとしてる。
嫌いじゃない。
この感覚も。

「お前は涼しそうだな」
手を伸ばそうとしたら、今までごろごろとまとわりついていたくせに、するりと流れる。
まるで猫のようにしなやかな身体をぐっと伸ばし、とんがった月のように目を細めてオレを見つめる。
ああ、なにかを企んでいる眼だ。

「涼をもとめて、ちょっとしたバカンスにでも行かないか」
この人はいつも唐突で、一々驚いていても仕方が無い。

「いまからですか?」
「ああ。そうだ」
「目をつぶって、」
「目をですか」

すっととじた目の前で光が踊る。
流れるようにきらめきながら激しい焔をその影に潜め。

「私の肩につかまって、ああ、そうだそのまま」

何処に行くんですか、大佐(くすくす


「そこに段差が、ある、躓くな、
ああ、

そのまま、ああ、そうだ、
まっすぐまっすぐ」

「そこでじっとしていたまえ」

『きゅきゅ』
『じゃばー』

ああ、冷たい
身体を伝ってゆく温度が心地良く身体を冷やしていく。
このまま冷たくなってしまってもいいかもしれない

空気がゆらゆらと泳いでいる


「もうめをあけてもいいぞ」

そっと目を開いたら、大佐がじっと見つめてた

「すずしいお前を眺めていると私は余計に昂ぶってくるな」

「そのほうが好いんじゃないですか?」

なぜだかおかしくて、びしょびしょになってしまった身体から溢れてくる笑いをこらえることが出来ない

「お前の身体で冷やしてくれればいい」


濡れて重たくなってしまった服を器用に脱がせながら熱いからだがからまってくる。

「外はこんなに冷たいのに中はなんて熱いんだろう」

そんなことを言わないで下さい

「肌が吸い付いてくる」
汗なのか、水滴なのか判らない

ひんやりとして気持ちがいい


どろどろとした感情も、明日への不安も、
こうやって流れて小さな排水溝に渦となって消えてしまって、
火に焼かれて天へ帰り、そしてまた廻って流れて身体に帰ってくる。


無限に続く流れのように
オレと大佐も続けば良いと思う。
そんなことを思うオレは
きっとこの焔にやられてしまっているんだ

それでもいいや、と思っている


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このままここでずっとこうしていたいなって言う話

dog daysとは…
一番暑い時期のことで、だいたい7月〜8月初旬の頃を指すようです。
なぜ‘dog days’なのか?というと
この時期にシリウス(dog star)が昼の空に現れる時期だからだそうです。




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