ブリタニアと日本のハーフの少女カレンは凹んでいた。

珍しく朝から黒の騎士団の活動に参加していたカレン。
昨日はあれほど嬉しがっていたのに、どういう事か。

「はぁ…ショック…。」

ぽつりと漏れたため息。
数少ない女性団員である井上と千葉は互いに顔を見合わせた。

「あのカレンが落ち込んでるなんて…。」
「どうせゼロ関係なんじゃないのか?」

心配気に視線を送る井上とは対照的に少々呆れ気味の千葉。
そうかもね、と井上は苦笑を漏らす。

「でも、うちのエースがあんなんじゃ困るわ。」
「確かに…あれでは紅蓮弐式には乗せられない。」

何だかんだ言っても年下のカレンを妹のように思っている二人。
顔もしれぬ司令官に恋する彼女が可愛くて仕方ないのだ。
二人の意見は一致したらしく、部屋の隅っこに座っているカレンに声をかけた。

「井上、千葉…。」
「どうしたのよ、カレン。 落ち込んでるなんて珍しいわね?」
「何かあったのか?」

その質問に今にも泣き出しそうな表情を浮かべた。
一体なにがこんなに彼女を哀しませているのか。

「朝、ゼロに会ったんだ…。」
「良かったじゃない朝からゼロに会えて。」
「そうなんだけど…。」

そこで言いよどむカレン。
彼がカレンに何か酷いことでもしたのだろうか。
もし、何かをしたのであれば司令官であれど容赦はしない。

だが、井上と千葉の思いは杞憂に終わった。

「ちょうどトイレから出てきた所で会っちゃったの…!」
「…は…?」

千葉が「は」と言う一言を発音できたのは、カレンの発言のおよそ30秒後。
井上は言葉すら出ないのか、ポカンとしていた。

「だから、ゼロがトイレから出てきた所であったの…!」
「えっと…その何がショックだったの…?」
「だって、ゼロがトイレよ?!!」

井上の質問にカレンは信じられないといった表情を浮かべる。
確かにゼロがトイレに行くというのは想像しずらい。
だが、ゼロだって人間なんだからトイにだって行くだろう。
そんな当たり前の行為にどうショックを受けるのか。

「あぁ…本当にショック…ゼロはトイレなんか行かないと思ってたのに…!」

顔を両手で覆い背を丸めるカレン。
黒の騎士団エースパイロットを目の前に、井上が苦笑し、千葉が顔を引きつらせる。

「…ゼロは王子様か何かか?」
「まぁ、カレンにとってはそうだったんじゃないのかしら。」

後で、「あれは仮面を直しに鏡を見ていた」とゼロからカレンに弁解してもらおう。
今後の黒の騎士団の未来を思い、こっそり井上は決意に満ちた目で頷いた。



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私カレンに何を求めてるのかな…!(…)
黒の騎士団の女の子が好きです。こんなこと言っても到底信じてもらえなさそうですが…(笑)

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