拍手ありがとうございました! 下はお礼SSです。(全2種) ■拍手お礼SS① チカナリ(BASARA)■ 「…こりゃまた派手にやられたな」 腕についた傷に言葉が漏れる。 こびりついた血糊を落とせばその傷口が露になり、 思わずこちらの顔が歪むのが分かった。 「これくらいの傷、大したことはない」 そんな自分に反して、返ってくるのは静かな声。 痛みがないはずはないだろうに、 だがその表情は不気味なほどに何も感じさせない。 まっさらな、凪のような顔だった。 その凪の下に広がる闇は如何ばかりだろうか。 波の下の暗く果てのない水底をありありと思い知らされるようで、 その表情を見る度に胸の中が軋んだ音を立てる。 形を変えない波はない。 ならばいつかはこの凪も終わる日が来るのだろうか。 それをもたらすのが自身であればいいと願うが、 傷口に触れるこの手はあまりにも無力で。 「…何故貴様がそんな顔をする」 「さぁ…、なんでだろうな」 こちらを見上げ問いかけてくる声に、 今はただ、そう言うのが精一杯だった。 ■完■ なんか薄暗いチカナリが書きたい、と思って書いたものです。 結果、薄暗いというかアニキ一人が悶々としてる文になってしまった(苦笑) |
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