「ねえねえせつなさん、せつなさんってアルバムとか持ってる?」

「ああ、ほたるの小さいころのアルバムなら、この家に収まりきらないので貸倉庫に保管してありますよ。必要なら取りに行きましょうか?一週間分の写真で倉庫ひとつ借りてますので、具体的にいつごろのがいるか言っていただいたら」

「そ、そんなにあるの!?そ、それはともかく、私の写真じゃなくて、せつなさんの写真が見たいの」

「私の写真ですか?」

「うん。せつなさんが小さいころや学生のころ、どんなのだったか見たいなって。だから写真とかアルバムとか、あったら見せてほしいなーって。だめ?」

「べつにあなたが見ても楽しいことはないと思いますよ。むしろそれより、私が寄り抜いたほたるメモリアルを引っ張り出してきますので、一緒にあなたの成長を見ましょう。かわいいですよ」

「だーかーらー、私のじゃなくてせつなさんのが見たいの!」

「私の・・・ですか・・・」

「せつなさんだって、今の時代では普通に生きてたんでしょ?写真とか学校のアルバムくらいあるよね」

「あるには・・・ありますけど・・・」

「見たい!せつなさんの小さいころ、どんなだったのか」

「・・・・・・あなたがそこまで言うなら・・・」

「ありがとう、せつなさん」

「ただしほたる、後悔しませんか?」

「えっ・・・後悔するようなものなの?」

「写真というのは、その人のその瞬間の現実を映し出すものです。一度残ってしまったものは二度と変えることはできず、戻ることも出来ない・・・そんな残酷な禁忌の存在なのです」

「ええー・・・」

「あなたがどうしても見たいと言うのなら、私は拒みませんが・・・ほたる、あなたは今から真の闇を目の当たりにすることになります。相応の覚悟はありますか?」

「覚悟はないけど、とりあえずせつなさんの学生時代が黒歴史なのはよくわかったよ・・・」



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